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〈タイ業界事情〉AIとQRコードとERPシステム BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.
- 2018/8/27
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難波 孝次 氏 Managing Director
ここ数年の間IT関係のニュースとしてよく取り上げられているトピックとしてAI(人工知能)というものがあります。取り上げられる内容としましては、現在人間が携わっている作業がAIに置き換えられるため、失業者が増大するのではないかといった悲観的なものから、人工知能を組み込んだ商品のPRといったものまで様々なものがございまして、一昔前までは人工知能と言われても思い浮かべるのはSF映画に出てくるような人型ロボットくらいだったのですが、昨今では随分身近なものとなってきました。
それで、同じようにタイ国内のニュースで、最近よく取り上げられるものの一つにQRコードがありまして、具体的には現在タイ政府が進めております産業高度化策に伴った国内共通QRコード支払機能関連のニュースは毎日のように耳にいたします。
現在では様々なショッピングプラザやガソリンスタンドのみならず、ローカル市場の中ですらQRコード決済がおこなえる店が出てきておりまして、こちらもまた身近なものとなりました。
ここでようやく表題の話になる訳ですが「AIとQRコードとERPシステム」と並べますと、それぞれに繋がりが有るような無いような何だか歌のタイトルか三題噺みたいでもありますが、ERPシステムというのは、社内の様々な業務管理をオールインワンで提供するコンピューターシステムのことでございまして、それと前述の現在ITビジネス界のトレンドとなっている二つのワードを組み合わせることにより、どのようなことが実現できるのかということについて、説明させていただけますでしょうか。
先ずQRコードとERPシステムについてですが、これは以前から密接な関係を持っておりまして、例えば在庫管理システムにおいて、各商品にQRコードが印刷されたラベルを貼り付け、同ラベルを在庫場所にて読み込むことによりリアルタイムの在庫情報をシステム画面から閲覧できるという手法は古くから使われております。特にタイですとBOI関連で材料、製品共にロット番号単位での履歴管理が必要となりますことから、このQRラベルを用いた在庫管理は弊社でも多くのお客様に提供させていただいております。
これに対してAIの方はと言いますと、こちらはどちらかと言えばERPシステムとは縁が薄い感じで、そもそもERPシステムの特色としましては販売管理や在庫管理で算出された様々な数字がダイレクトに会計システムに転送されるといったものですので、わざわざ人工知能を駆使してまで処理するような仕組みが必要なのか? という疑問は出てきます。強いてあげれば生産計画のシミュレーションやMRP機能にて材料を自動発注する際等に、過去のデータを分析しながらより実情に即した計画データや材料発注点を模索するくらいが一般的な使用方法ではないでしょうか。
そこで少々発想を転換しまして、AIとQRコードを組み合わせることにより何か良いアイデアが生まれないかと考えるとどうでしょうか。QRコードの利点としましては、手入力作業と比較した場合の作業工数削減や入力ミスが無くなることによるデータ品質の向上が挙げられまして、更に1次元のバーコードと比べてデータ格納量が格段に多い(英数字だけであれば1枚に4千文字程度まで可能)という利点もあります。ただ一般的な使用方法では格納データとして、商品コード、商品名、ロット番号や数量くらいで、多くとも1枚のQRコードで数百文字までしか使用されていないケースが多いのではないでしょうか。何故なら社内の業務管理内で完結する処理であれば、例えば商品名が無くとも商品コードさえあればシステム内で特定をおこなうことは可能ですので、それほど多くの情報を必要としないという事情がございます。
これに対して、社外システムとの連携にQRコードを使用した場合はどうなりますでしょうか。社外システムとの連携といいますと、先ずは発注データやインボイスデータ等の受け渡しが考えられます。所謂EDIシステムというもので、仕入先さんには発注データを送付した後、同発注データを元にしたインボイスデータを送付してもらう、逆に得意先さんには発注データを送付してもらい、同データを元にしたインボイスデータを送り返すといった仕組みで、一般的なケースとしては該当データをエクセルファイル若しくはテキストファイル等に変換したものをメール機能を介して送受信をおこなうやり方や、得意先さんが構築されたEDIシステムにインターネット経由で接続して、ダウンロードやアップロードをシステムの機能を利用しておこなうといった形がございます。
ところが、以前にも一度説明をさせていただいたように一見理想的に思えるこの方法にも、色々な問題点があります。一つには受け渡し用に使用するフォーマットは統一されている訳ではないので、得意先さん毎に別々のフォーマットを用意する必要があることや、EDIシステムについても同様に様々なオペレーション方法を習得する必要があります。また得意先さんの都合でフォーマット変更が行われることがあり、その都度自社システムも仕様変更が必要になりますことから、数多くの得意先さんとEDI連携をおこなわれているケースであれば、四六時中システム変更をおこなっているような状態となってしまいます。
そこで、このデータ受け渡しにQRコードを使用するという方法は如何でしょうか。具体的には発注書やインボイス上に記載内容を格納したQRコードを出力することで、同書類を受け取った取引先さんがデータを手入力する代わりにQRコードを読み取るといった方法で、発注書については昨今では紙媒体を使用せずにPDF等で送られてくるケースが多くなっておりますが、仮にPDFファイルでも画面に表示してQRコードをスキャンすることは可能ですし、またインボイスについてはようやくE-INVOICEへの動きが出てきてはおりますが、このタイ国に限れば当分の間紙媒体が無くなることはないと予想されます。
でも、それではテキストファイルがQRコードに変わっただけで、前述の問題は何も解決できていないのではと言われれば全くその通りでございまして、この問題を解決するためにここでようやくAIの活用が出てまいります。(随分と前置きが長くなりましたが)ただ、それほど複雑な手法を採る訳ではなく簡単に言えば最低限の規約を決めておいて、その規約内であればかなりフレキシブルに項目の並びや新規項目の追加等を自由に設定できるといったもので、この方式であれば項目追加の都度システム変更をおこなう必要もなく、またEDIシステムを使用されない仕入先さんに対しても、発注書と合わせてQRコードラベルを送っておくといったやり方や、最低限自社の発注書番号のみQRコードで読み込むといった様々なレベルでの対応が可能となります。
上記の使用方法はあくまでも一例でございまして、AIを活用とは言ってもごく初歩的なものですが、この他にも例えばログオン時のユーザーIDとQRコード(ある一定の法則に従い都度変更される)とを組み合わせることによるセキュリティ強化、倉庫業者さんとのデータのやりとりやスマートフォンのアプリ連携といった色々な活用方法が考えられます。現在社内の業務管理システムに関して使い勝手の向上や機能の拡張、若しくは何か問題を抱えられている方がいらっしゃいましたら、弊社では様々なソリューションを用意しておりますので、お気軽にご相談をいただけますでしょうか。
BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.
住所:333 Lao Peng Nguan Tower 1, 17th Floor, Unit B1, SoiChaypuang,
Viphavadi-Rangsit Road, Chomphol, Chatuchak, Bangkok 10900
電話:0-2618-8310-1 ファクス:0-2618-8312 Eメール:toki@ksc.th.com
ウェブサイト:www.bkktoki.com