東レ、タイで非可食バイオマスを用いた糖製造技術実証

【タイ】東レは17日、製糖工場で発生するサトウキビ絞りかす(余剰バガス)とでんぷん工場で発生するキャッサバ芋絞りかす(キャッサバパルプ)などのバイオマスを原料として、繊維や樹脂を製造する際に共通原料となる、非可食植物由来の糖を製造する技術を、DM三井製糖と共同で実証し、基本技術を確立したと発表した。

 東レが開発中の、糖からモノマーを製造する技術と組み合わせることで、バイオマスから繊維、樹脂、フィルムなどに用いるバイオマスポリマーの製造を一貫して行うことが可能となる。 

 実証はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援を得て、タイに設置した実証設備で行った。東レは酵素を活用するバイオ技術と水処理分離膜の技術を融合した「膜利用バイオプロセス」により、非可食バイオマスに含まれるセルロース由来の糖を分離、精製、濃縮する技術をプロセス実証した。また、省エネ効果として、糖液に含まれる水分を熱によって蒸発させ濃縮する従来の製造システムと比較して、50%以上の二酸化炭素(CO2)削減が可能であることを検証した。

 東レは、非可食糖を原料として、微生物発酵技術と、分離膜を活用した精製技術を組み合わせた独自の合成法により、ナイロン66の原料となる100%バイオアジピン酸を製造する技術を開発している。今回の成果は、その前段階となるバイオマスから非可食糖を製造する技術を確立し量産化にめどが立ったことから、食糧と競合せず豊富に存在する農業残さを原料とした繊維や樹脂などの化学品の一貫製造技術の確立を目指す。

 今後は、タイの製糖企業やでんぷん製造企業などのバイオマス保有者と連携し、非可食糖の供給体制を構築し、現在開発を進めている非可食糖からのアジピン酸製造技術のスケールアップを進める。非可食糖をグローバルに化学品企業に提供し、石油由来の化学品を、食糧と競合しない植物由来の製品に置き換えることで、循環型社会の実現に貢献する。

非可食バイオマスが化学品原料になるまでの概念図(画像提供、東レ)

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