タイとカンボジア、戦略的和平合意の「見通し」 両首脳の署名は10月末

【タイ・カンボジア】タイのメディアがカンボジアからの報道として伝えるところによると、タイとカンボジアが、両国関係の正常化と長期的な安定確保を目的とする戦略的和平合意に署名する見通しとなった。カンボジアのプラック・ソコン副首相兼外相が明らかにした。

 ソコン副首相は、米国とマレーシアの代表も参加したマレーシア主催の4者会合から帰国後、国営テレビ(TVK)の取材に応じ、両国が合意文書の内容で一致したと説明。今月下旬に開かれるASEAN首脳会議の場で、両国首脳による署名が期待されていると述べた。署名式には、米国のトランプ大統領と、ASEAN議長国を務めるマレーシアのアンワル・イブラヒム首相が立ち会う見通しだ。

 和平合意をめぐる協議は10月17日夜、マレーシアでの集中的な交渉を経て妥結した。合意文書には、7月28日に発表された停戦の順守や、互いの主権・領土保全・独立尊重の確認が盛り込まれている。

 また、国境地帯での緊張緩和に向け、重火器の撤収や地雷除去の共同実施など具体的措置も明記された。タイ側は、停戦発効直後の7月29日に拘束したカンボジア兵18人を速やかに解放することで合意したという。

 両国はさらに、残された国境問題を平和的に解決し、武力を用いないことを約束。安全保障面に加え、越境犯罪対策やオンライン詐欺の取り締まり強化、悪化していた外交関係の修復も盛り込まれた。

写真:タイ外務省フェイスブックより

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