タイ株価指数1300ポイント割れ 4年半ぶり安値 政経両面で苦境

【タイ】17日のタイ証券取引所(SET)株価指数終値は1296.59ポイントで、前営業日から9.97ポイント下げ、1300ポイント台を割り込んだ。

 SET指数終値が1200ポイント台となるのは2020年11月以来。SETでは今年に入り、外国人投資家が1000億バーツ以上売り越した。

 タイは「中所得国の罠」にはまったとみられ、経済の低成長が常態化している。国内総生産(GDP)成長率は2022年2.5%、2023年1.9%、2024年1〜3月期1.5%と、他の東南アジア主要国に比べ大きく見劣りする。経済構造の転換が遅れる中、少子高齢化が急速に進む。

 政治面では、既得権益を手放さない王党派がクーデターや司法を使い民主派を抑え込む構図が続く。昨年5月の議会下院総選挙後、長年の宿敵だったタクシン元首相派と王党派が手を結び、セーター政権が発足した。しかし、王党派はここへ来て、セーター首相の解任を求める裁判を起こし、タクシン氏も不敬罪で起訴される見通しとなった。下院第1党で革新派野党のガウクライ党(ムーブフォワード党)は、王党派が起こした裁判により、不敬罪の改正廃止を目指したことで解党される可能性が高まっている。

 

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