22日に2回目のタイ首相指名選挙か

【タイ】タイ憲法裁判所は16日、先月13日に上下両院合同会議で行われた1回目の首相指名選挙で過半数獲得に失敗した議会下院(定数500)第1党ガウクライ党(ムーブフォワード党)のピター・リムジャルーンラット党首(42)が7月19日の上下両院合同会議での採決で再度首相指名選挙に出ることが禁じられたことを違憲だとしたオンブズマンの訴えを、直接不利益を被ったわけではない第3者の訴えだとして、受理しなかった。

 憲法裁の判断を受け、ワンムハマッドノー・マター下院議長(国会議長、79)は同日、2回目の首相指名選挙を8月22日に行う考えを示した。2回目の首相指名選挙には、下院第2党のタクシン元首相派プアタイ党のセーター・タウィーシン氏(60)が立候補する見通し。

 ガウクライ党は5月14日の下院選後、プアタイ党など旧野党陣営の民主派7党と連立を組んで、下院で過半数の312議席を確保し、7月13日、上下両院合同会議の首相指名選挙にピター党首を擁立して臨んだ。しかし、国王批判に重罰を科す不敬罪の改正、徴兵制の廃止などを掲げるガウクライ党に対し、プラユット軍事政権(2014~2019年)が議員を選任した非民選の議会上院(定数250)、下院の旧与党陣営といった王党派が反対票を投じ、ピター党首の得票は324票と、首相選出に必要な376票にとどかなかった。

 プアタイ党はこれを受け、ガウクライ党とたもとを分かち、旧与党陣営を含む連立政権の樹立を目指している。今月10日までに、旧与党陣営のプームジャイタイ党(下院71議席)、チャートタイパタナー党(同10議席)など8党と合意し、下院で238議席を確保した。プラウィット副首相(元陸軍司令官、78)率いるパランプラチャーラット党(下院40議席)、プラユット首相兼国防相(元陸軍司令官、69)率いるルワムタイサーンチャート党(下院36議席)という旧与党陣営の中核2党とも交渉中だ。上院議員の大半はプラウィット副首相の影響下にあるとされ、両党が参加すれば、連立政権発足が確実となる。

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