連立政権目指すタクシン派陣営、8党で下院500議席中228議席に

【タイ】タイの公共放送タイPBSなどによると、連立政権樹立を目指す旧野党陣営でタクシン元首相派のプアタイ党は9日、記者会見を開き、陣営に新たに6党が加わると発表した。議会下院(定数500)での勢力はプアタイ党(141議席)、7日にプアタイ党との同盟を発表した旧与党陣営のプームジャイタイ党(71議席)、新たにプアタイ陣営に参加する深南部のマレー系イスラム教徒を支持層とするプラチャーチャート党(9議席)など小規模政党6党で計228議席になる。10日には下院10議席のチャートタイパタナー党の参加が発表される見通し。

 首相指名選挙にはプラユット軍事政権(2014~2019年)が議員を選任した非民選の上院(定数250)も投票するため、上下両院で計376議席必要となる。

 プアタイ党の幹部は9日の記者会見後、5月14日の下院選で151議席を獲得して第1党になった旧野党陣営で革新系のガウクライ党(ムーブフォワード党)の本部を訪れ、首相指名選挙でプアタイ党のセーター・タウィーシン氏(60)に投票するよう求めたが、ガウクライ党は支持するかどうかの判断を見送った。ガウクライ党が賛成票を投じれば、プアタイ陣営は389票を確保し、上院が反対しても政権樹立が可能となる。

 5月14日に行われた下院総選挙では、若年層などから熱狂的な支持を集めるガウクライ党が事前予想を覆して第1党となった。ガウクライ党はプアタイ党などと連立政権樹立を目指したが、国王批判に重罰を科す不敬罪の改正廃止、徴兵制の廃止といった政策が保守王党派の上院の反発を買い、同党のピター党首は7月13日に上下両院合同会議で行われた首相指名選挙で324票しか獲得できなかった。

 プアタイ党は今月2日、ガウクライ党との連立政権樹立を断念し、ガウクライ党を含まない新たな連立の枠組みを模索すると発表した。

プアタイ党と6党の共同記者会見(写真提供、プアタイ党)

 

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