【タイ】バンコク都庁(BMA)は1月7日、犬や猫の飼育・放し飼いを管理する都条例の施行を1年間延期することを決定した。ペットへのマイクロチップ装着と登録を義務付ける制度の施行開始は、当初予定されていた2026年1月10日から、2027年1月10日に変更される。
チャチャート・シッティパン都知事は都庁で開かれた都議会定例会で、条例施行の延期を提案。制度運用の改善や行政サービスの効率化、無料巡回サービスの拡充、さらには都民への広報と理解促進に十分な時間を確保する必要があると説明した。特に、賃貸住宅でペットを飼う場合に求める家主の書面同意といった、実務上の障害となっている条件の見直しが課題として挙げられた。その結果、議会は施行延期を認めると共に、条例内容についても法令の範囲内で適切な修正を加えるべきだとの認識で一致した。
同条例は昨年1月に官報で公布され、犬猫5万匹以上へのマイクロチップ装着と登録が目標に掲げられたが、昨年末の時点で4000匹の達成に留まっていた。そもそも、バンコク都内の犬猫の数が当初想定を大きく上回る数十万匹規模に及ぶことが後に判明。8~10カ所というサービス拠点の少なさが遠方に住む飼育者に不便を強いり、マイクロチップの安全性が周知されておらず、罰則への不安だけが広がっていることも問題視された。都庁は今後1年間で、移動式サービスの拡充や広報活動の強化を進めると同時に、家主同意要件など不要な規制の見直しを行っていく。
チャチャート都知事は、「マイクロチップは世界的に実績のある標準的な手法。バンコクに求められているのは、都民全体で理解と責任を共有すること」と述べ、動物福祉の向上と持続可能な都市づくりを目指す考えを示した。























