タイで家庭内暴力対策を強化 全国統一データベース構築、学校教育での予防

【タイ】政府は6月30日の閣議で、家庭内暴力に関する状況報告2023年版を閣議で了承した。タイでは同年、全国で2万4243件の家庭内暴力が確認されていた。

 パッダーラット・トーンサルアイコーン政府副報道官によると、同報告は家庭内暴力防止法(2007年)に基づいて社会開発人間安全保障省が提出したもの。政策立案や被害者保護の強化に活用するため、14機関のデータを集約した。

 2023年の家庭内暴力は2万4243件、被害者は2万4029人で、内訳は女性2万1145人、男性2811人、その他73人だった。被害者の多くは10〜20代、加害者は18〜50代が中心だった。最も多い暴力形態は身体的暴行で、事件の大半は自宅で発生しており、家庭内暴力が依然として身近な深刻な問題であることが浮き彫りになった。

 パッダーラット副報道官は、家庭内暴力は被害者本人だけでなく、暴力のある環境で育つ子どもにも長期的な悪影響を及ぼすと指摘。発達、精神面、学習、行動に影響が出るほか、将来的に暴力の連鎖を生む可能性もあるため、正確なデータと関係機関の連携が不可欠だと述べた。

 社会開発人間安全保障省は、家庭内暴力対策の強化策として、全国規模の統一データベースの構築を提案。各機関が同一基準で情報を共有し、状況把握、分析、政策立案、支援措置の精度向上につなげたいとしている。障害者、寝たきりや慢性疾患の患者、未成年、支援制度にアクセスできない人など、脆弱な立場の人々のデータ整備も進めるべきだとしている。

 長期的には教育制度を活用し、暴力を許容しない社会づくりを進める。家庭内暴力や各種暴力への理解、困難な状況への対処法を義務教育課程に組み込み、他者の権利尊重、対立の調整、非暴力による問題解決を子どもの段階から育む。また、大学の法学部には、児童への暴力や家庭内暴力の被害者保護に関する科目を必修化することを提案し、専門人材の育成を図る。

パッダーラット政府副報道官 写真:タイ首相府

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