【タイ】タイ国内76県で2月1日に実施された県行政機構(オー・ボー・チョー、PAO)選挙で、連立与党第1党プアタイ党支持の機構長18人、同2党プームジャイタイ党支持の機構長13人がそれぞれ当選した。今回の統一選では、全47県で機構長、ほか29県で機構議員が選ばれた。投票率は60%弱のもよう。
若者から圧倒的な支持を受けているとされるリベラル派の野党プラチャーチョン党は、北部ラムプーン県のみで支持候補者を当選させるにとどまった。ただタクシン家出身のチェンマイ県では、同家が率いるプアタイ党と激戦を演じたもよう。投票率は75%に達したとされる。プラチャーチョン党は、2023年の下院選で第1党となったにもかかわらず野党に追いやられたガウクライ党(前進党、同年に解党)の後継党。
ほか、機構長に当選したのは、民主党(連立与党)支持が3人、チャート・タイ・パッタナー党(旧チャート・タイ党)支持およびプラチャーチャート党(イスラム系)支持がそれぞれ2人、パラン・プラチャーラット党(野党)支持およびルワム・タイ・サーンチャート党(タイ国家団結党、プラユット元首相系)がそれぞれ1人、独立候補(無所属)6人。
タイ北部ではプアタイ党が圧倒的な支持を誇るが、今回のPAO機構長選では、チェンマイ県で激戦、タクシン・チナワット元首相が応援演説にかけつけた肝煎りのチェンライ県で無所属現職に敗北、ラムプーン県で敗北と、影響力に明らかな陰りが見られた。