サイバー犯罪と外国人ノミニー網の摘発強化 タイ首相「国家的課題」と強調

【タイ】政府と警察は6月22日、サイバー犯罪、コールセンター詐欺、国際犯罪組織、外国人ノミニー(タイ人名義貸し)網の摘発状況を合同で発表した。アヌティン・チャーンウィーラクーン首相やキティラット・パンペット警察長官ほか、米国、カナダ、英国、ドイツ、スイス、ニュージーランド、日本、韓国、インドネシアなど10カ国以上の法執行機関および警察駐在官チームの代表が出席した。

 アヌティン首相は、これらの犯罪はタイ国民に深刻な被害を与える重大犯罪であり、政府は取り締まりを「国家的課題」と位置づけて対策を強化していると説明。昨年には首相府令341/2568に基づいて「サイバー犯罪対策委員会」を設置し、政策・対策の策定や実施状況の監督を進めてきたとした。内務省、デジタル経済社会省、警察、資金洗浄取締委員会(AMLO)、金融機関、通信事業者など15機関が覚書(MOU)を締結し、情報連携と迅速な被害救済体制の構築を進めている。

 取り締まりには地域内外の複雑な利害関係や行政内部の抵抗もあるとしながらも、「相手の肩書きや立場にとらわれず、行為そのものを基準に取り締まる」という原則に基づき、継続的に成果を公表していくと強調。「国民の苦しみを取り除き、治安を守り、薬物と暴力を排除することは政府の基本方針であり、不正や腐敗は一切容認しない」と述べた。

 摘発に関しては、オンライン詐欺対策センター(ACSC)および国際犯罪・不法入国対策センターの過去9カ月(2025年10月〜2026年6月)の成果として、■被害防止:862人の被害者を救済し、被害額8200万バーツ(4億円相当)を阻止、■資金遮断:35万1000件以上の「ミュール(名義貸し)口座」を凍結し、関連資金36億バーツを押収、■逮捕:詐欺組織の構成員2万9000人以上を逮捕し、首謀者70人超に逮捕状を発付――と発表した。

写真:タイ首相府

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