バンコク都庁、ローイ・クラトン祭りの灯籠を回収 前年比24%減、自然素材が8割超

【タイ】バンコク都庁(BMA)は、11月5日夜から翌6日未明にかけて都内110カ所で行われたローイ・クラトンで、祭り直後に清掃を開始して灯籠(クラトン)を計39万1027個回収したと発表した。前年比24%減の量で、自然素材を使った灯籠が全体の82.8%を占めていたという。

 内訳は自然素材製32万3626個(82.76%)、発泡スチロール製2万8298個(7.23%)、パン製3万9103個(10.01%)。過去2年の清掃実績は2024年が51万4590個、2023年が63万9828個で、灯籠の数は減少傾向にある。

 BMAが主催するオンラインで灯籠を流す「バーチャル・ローイ・クラトン」も2年目を迎え、専用サイトを通じて都民が参加。仮想空間の公園やチャオプラヤー川沿いで計2万3347件が登録されたが、前年の3万6832件から減少した。

 回収作業は区役所、排水局、環境局が分担。チャオプラヤー川ではラマ8橋からラマ9橋まで約15キロの区間に職員163人、収集船28隻、支援船6隻、トラック8台を投入し、夜通しで作業した。回収した灯籠は都内のオーンアーン運河や商務省の倉庫で仕分けされ、自然素材は粉砕して堆肥工場に移送、発泡スチロールなどは埋め立て処理される。

 今年のバンコク都内のローイ・クラトン会場は、ラマ8橋周辺やプレーム・プラチャーコーン運河などに設置され、33カ所の公園が深夜0時まで開放された。BMAは自然素材の灯籠使用を呼びかけ、パンや発泡スチロール製は水質や生態系への悪影響を理由に控えるよう求めた。

 バンコク都は「1家族1灯籠」を合言葉に、伝統を守りつつ環境負荷を減らす取り組みを続けるとしている。

写真・画像:バンコク都庁(BMA)

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