独インフィニオンがタイに戦略投資 馬MPIとの連携で半導体サプライチェーン強化

【タイ】タイ投資委員会(BOI)が、ドイツ大手半導体メーカー「インフィニオン・テクノロジーズ」が新たな事業戦略として、マレーシア半導体組立・検査大手「Malaysian Pacific Industries(MPI)」をタイに誘致し、半導体サプライチェーンの強化を図ると発表した。これにより、タイ政府が掲げる「Chip Made in Thailand」構想が一段と前進する。

 ナリット・タートサティーラサックBOI事務局長によると、インフィニオンは既に東部サムット・プラーカーン県で電気自動車やデータセンター向けパワーモジュール組立・検査の新工場の建設を開始。完成後はドイツ国外で最大規模の拠点となる。将来的に5000人以上の雇用創出が見込まれている。

 今回のインフィニオンとMPIの提携は、インフィニオン保有の中部ノンタブリー県での後工程半導体事業をMPIに譲渡。MPIは従業員約1000人を引き継ぎ、同工場で自動車・通信向け半導体の組立・検査を継続する。MPIはさらに、インフィニオンの新工場向けに部材を長期供給するほか、先端パッケージング技術への追加投資も計画している。

 ナリット事務局長は「インフィニオンがMPIのような世界的パートナーを呼び込んだことは、タイのインフラ、政府支援策、タイ人人材に対する信頼の表れだ。新工場は高度技術の導入に加え、大学や研究機関との連携を通じた人材育成や産業エコシステムの発展にも寄与する」と述べた。

 BOIによれば、2025年上半期における半導体・先端電子分野への投資申請件数は168件、投資総額は1兆800億バーツを超えた。

写真:タイ首相府

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