タイ首相、不信任案提出なら下院解散の前倒しも 「野党のただ乗り攻撃は許さない」

【タイ】アヌティン・チャーンウィーラクーン首相は、「不信任案が提出されれば(現在予定の)1月31日を待たずに下院を解散する可能性がある」と発言した。野党による「ただ乗りの攻撃」は許さないと強調した。

 バンコク都内で5日に開かれた経済フォーラム「The Standard Economic Forum 2025」に出席した際のインタビュー発言で、アヌティン首相は「プラチャーチョン党との間で結んだ覚書に基づき、就任から4カ月以内に下院を解散し、総選挙で国民に信を問うと約束している」と説明。「その立場を変えておらず、プラチャーチョン党の支援で首相になった以上、約束を守る」と述べた。

 ただ、不信任決議が仕掛けられた場合は「時期や目的を見極める」とし、「必要なら1月末より前に解散する」考えを示した。「政治ゲームに利用されるなら、1カ月前倒しで解散しても大きな違いはない」と語った。

 次期総選挙への準備については、「前政権を退いたその日から準備してきた。明日選挙があっても戦える」と自信を示した。首相再任への意欲を問われると、「なぜ駄目なのか。首相は国のために多くのことができる立場だ。任期の長短よりも在任中に善政を敷くことが重要だ」と述べた。

 一方のプラチャーチョン党は、「1月31日以前の解散は首相の専権事項だ」と容認する姿勢を見せ、アヌティン首相に(プラチャーチョン党の最大の目的である)憲法改正の動きを妨げる意図はないとした。不信任案の提出を主導しているのは前与党のプアタイ党で、プラチャーチョン党も加わる可能性があると報じられている。

写真:FC Anutin

関連記事

ページ上部へ戻る