【タイ】タイ警察サイバー犯罪捜査局(CCID)は5月9日、タイ人とアフリカ人から成る詐欺グループのメンバー6人を4月28日から5月8日にかけて逮捕したと発表した。韓国企業の名を騙り、日本国内の企業からタイに2億2800万バーツ(10億円相当)を送金させた疑い。
逮捕されたのはタイ人5人とガーナ人1人。ほかタイ人とナイジェリア人の2人が逃亡中で、5月9日に逮捕状が発行された。
警察の発表によると、詐欺に遭ったのは日本国内の「有名な大企業」で、社名は明かされていない。詐欺グループは時間をかけて同社の内情を調べ上げ、韓国企業との取引を探り当てた。バンコク都ラートクラバン区にその韓国企業に似せた社名で会社を設立、やはり似たようなドメイン名でメールアドレスを作成したという。
そのメールアドレスで日本にメールを送信、「銀行口座番号が変更された」として、自分たちが開いたタイ国内の口座への送金を依頼した。日本側は、社名もメールアドレスも本来の取引先のものと良く似ていたため、詐欺とは気づかなかったという。SWIFTを通じて計2億2854万3909.28バーツが振り込まれた。
4月25日、日本からの巨額な送金を銀行職員が不審に思い通報。警察が捜査を開始した。口座からは1300万バーツが2回に分けて引き下ろされたが、詐欺に利用されている口座であることが確認され、銀行がただちに凍結した。残高は全額、日本に送り返されるという。
詐欺グループが設立した会社は中古車卸売業として登記されており、資本金は100万バーツ、役員はタイ人の男女3人だった。ほかにも10社ほどの社名を騙っていたことが分かり、余罪を調べているという。
写真:タイ警察サイバー犯罪捜査局(CCID)フェイスブックより