電子たばこ所持で台湾人女優恐喝、タイ警官6人逮捕

【タイ】タイの公共放送タイPBSなどによると、タイ警察は2月2日、タイで禁止されている電子たばこの所持を見逃す代わりとして外国人旅行者から賄賂を受け取ったとして、警察大尉2人を含む警官6人を逮捕した。

6人は取り調べ中に容疑を認めたが、弁護士との接見後、否認に転じた。

今回の事件は、台湾人の女優が、バンコク都内の路上検問でタイの警官に現金を脅し取られたと、インターネットの交流サイト(SNS)や台湾メディアなどで訴え、発覚した。この女優によると、1月5日未明、友人のシンガポール人男性らとバンコク都内を乗用車で移動中、中国大使館前で行われていた路上検問で、電子たばこを所持していることを警官に指摘された。警官は見逃す代わりに賄賂を渡すよう要求。2時間にわたるやり取りの末、女優側は2万7000バーツを警官に渡し、解放された。

タイ警察は当初、警官のボディカメラの映像を調べた結果、恐喝の事実はなかったとして、取り合わない姿勢だった。しかし、女優と一緒にいたシンガポール人男性が2月1日、裏事情に精通するタイ人実業家のチューウィット氏の招きで、バンコクで記者会見を開き、恐喝は事実だと主張。摘発された電子たばこはバンコク都内の市場で売られていたもので、違法とは知らなかったと話した。男性はその後、タイ警察幹部による事情聴取に応じた。タイ警察は現場の防犯カメラの映像を精査して、男性の証言を突き合わせ、現金の授受があったと判断し、逮捕に踏み切った。

タイ東部パタヤ市でも、電子たばこを所持していた中国人団体旅行客がタイの警官に現金を脅し取られた疑いが浮上している。タイ警察はこの警官を事実上の停職処分にし、捜査に乗り出した。団体旅行客は1月29日未明、歓楽街のウォーキングストリートを歩いていた際に、電子たばこの所持を警官に見とがめられ、検挙を見逃す代わりとして、6万バーツを払うよう脅された。ガイドを通して交渉し、警官に3万バーツを払って解放されたという。

在タイ日本大使館によると、タイでは電子たばこ(アイコスをはじめ加熱式たばこを含む)の持ち込み、所持が禁止されていて、違反した場合、10年以下の懲役または最大50万バーツの罰金が科される。また、タイ入国の際の税関検査で免税範囲(1人1カートン=200本)を超えるたばこの所持が摘発されると、高額な罰金が科せられた上、所持していたたばこがすべて没収される。グループで入国する際に1人が他の人の購入分をまとめて所持していても、免税範囲を超過したとみなされる。

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