【タイ】チャイチャノック・チッチョープ・デジタル経済社会相は9月1日、バンコクで無許可のまま稼働している複数のデータセンターが存在する疑いがあり、調査を加速するよう指示したことを明らかにした。施設の用途、発電用燃料の備蓄の有無、外資企業との関係性などを確認しているが、現時点で事業者名や違法性は特定されていない。
同相は、出張閣議先の南部ソンクラー県ハジャイ郡のプリンス・オブ・ソンクラー大学での行事に出席した際、疑わしい施設が複数存在するという報告を以前から受けていたと明らかにした。問題の施設は、本来許可されていない場所でデータセンターとして運営されている可能性があり、関係機関が各拠点の状況を整理している最中だという。「集約報告を受け、正確な情報が揃ってから公表する」として詳細は明らかにしなかったが、一部はデータセンター以外のサービスも提供しているもよう。
当該施設のデータセンター運営の目的はまだ特定されていないという。採算が取れなくなった既存事業からの転用の可能性もあり、各施設がどのような経緯で転換されたのか、さらなる調査が必要としている。発電用燃料を備蓄していたとの報告もあるとされ、同相は関係機関に事実確認を指示し、タイ警察にも協力を求めている。燃料が保管されていた可能性はあるが、量はまだ把握できていないという。
調査では、燃料の種類、保管場所、使用されている発電設備、法令や安全基準への適合性を確認する。各施設がいつ設置され、当時どの規制が適用されていたかも検証する。規制導入前に稼働していた場合の扱いも検討する。外資企業の関与も調査対象で、同相は「外国との関係があるかも知れないが、結論には追加の証拠が必要」と述べた。
データセンターは、クラウド、デジタルサービス、AIの基盤として大量の情報を24時間処理する。タイのメディアは国際エネルギー機関(IEA)の情報として、AI向けデータセンターは最大で10万世帯分の電力を消費する可能性があると報じている。電力需要が特定地域に集中するため、世界全体で見たデータセンターの電力消費割合以上に、地域の電力網に負荷がかかる場合がある。
また、冷却に大量の水が使用される。当局は、水資源の枯渇、電力網の混乱、家庭の電気料金上昇、周辺地価への影響などについても調査を進めている。住宅地や商業地に近い施設では、ファン、冷却塔、非常用発電機の騒音が問題となることがあるが、現在疑われているバンコク都内の施設周辺では、有害な騒音が確認された事実は示されていないという。
タイではデータセンター投資が急増しており、政府によると2024〜2026年に42件、総額7500億バーツ(3兆6000億円相当)の投資奨励が承認されている。



























