タイ国内総投資、GDP比30%へ 12年以内の「高所得国」入りを目標

【タイ】政府は、国内総投資を国内総生産(GDP)の30%まで引き上げ、いわゆる「中所得国の罠」から脱却して12年以内に高所得国入りを目指す方針を示した。エークニティ・ニティタンプラパート副首相兼財務相が、新たな国家投資開発に関する政府小委員会の会合後に明らかにした。

 小委員会には投資委員会(BOI)、国家経済社会開発評議会(NESDC)、タイ商工会議所(TCC)、タイ工業連盟(FTI)、タイ銀行協会の代表が参加し、競争力強化、投資促進、地域の投資拠点化を図るための枠組みを確認した。

 エークニティ副首相は、政府が2029年までにGDP成長率を3%超に引き上げ、IMD世界競争力ランキングで現在の26位から20位以内に改善し、2038年頃までに高所得国の水準に到達することを目標としていると説明した。IMD世界競争力ランキングは、スイスの国際経営開発研究所(IMD)傘下の世界競争力センター(WCC)が公表している。

 目標達成のためには、公共・民間を合わせた投資比率を現在の23%から30%に高める必要があるとし、税制優遇、重点分野への予算配分、官民連携(PPP)事業、タイ・フューチャー・ファンド(TFF)など、利用可能な政策手段を総動員すると述べた。

 政府は5つの作業部会を設置し、6カ月以内に初期成果、2年以内に主要進展、4年以内に長期インフラ整備の成果を出す計画。対象分野は、産業構造転換、AI・デジタル技術、グリーン経済、金融サービス、医療関連投資。

 産業転換の部会は、既存産業の高度化、新産業基盤の整備、Thai FastPassによる事業許認可の迅速化、電力・水道など産業インフラの拡充、スキルブリッジによる人材育成、タイ企業の国際サプライチェーンへの参画支援を進める。AI・デジタル部会は、AI、半導体、チップ設計などで2027年までに1000億バーツ(5000億円相当)規模の投資誘致を目指し、インフラ整備、研究開発、人材育成、商用化を通じてAIのGDP寄与度を5%まで高める。

 グリーン経済部会は、再生可能エネルギー、スマートグリッド、電気自動車(EV)インフラ、炭素市場、グリーン金融を推進する。金融サービス部会は、タイを地域金融ハブとして育成し、革新的企業の資金調達機会を拡大する。医療投資部会は、医薬品、医療機器、ヘルスケア製品など高付加価値の医療製造・技術分野でタイの競争力を強化する。

エークニティ副首相 写真:財務省

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