タイでようやく「レモン法案」、10年越しで閣議決定 欠陥商品は販売者が即時対応へ

【タイ】政府は6月16日の閣議で、欠陥商品の責任を販売者側に明確に負わせる「商品欠陥責任法案(レモン法案)」を承認した。今後、国会に提出される。

 レモン法案の閣議承認を発表したスパマート・イサラパクディ首相府相は、「タイの消費者保護水準を国際基準に近づけ、公平性を高める重要な一歩になる」と述べた。現行制度では、購入した商品に欠陥があっても、消費者が「初期不良であること」を自ら立証しなければならず、販売者が修理対応を引き延ばすケースが多い。結果として、消費者は何度も修理に出さざるを得ず、修理がいつ完了するのか明確な期限も示されないまま長期間待たされる状況が続いている。

 レモン法案はこの構造を改め、一定期間内に欠陥が発生した場合、「商品が引き渡し時点から不良だった」と推定。販売者が反証責任を負う仕組みに転換する。

 一般商品は引き渡しから6カ月以内、自動車は1年以内に欠陥が見つかった場合、推定が適用される。救済措置は、修理、交換、値引き、契約解除の4種類とし、問題の性質と程度に応じて選択できる。

 修理期間も明確化され、一般商品とバイクは60日以内、自動車は90日以内に修理を完了しなければならない。期限内に完了できない場合、消費者は値引き、契約解除、損害賠償を請求できる。重大な欠陥がある場合、一般商品は7日以内、家電・電子機器は14日以内に交換を求めることが可能。自動車については、安全性に関わる欠陥で修復不能な場合、同等の新車への交換が義務付けられる。

 スパマート首相府相は、「10年以上待ち望まれた改革。これまで消費者が負ってきた立証の負担を販売者側に移すことで、迅速で公平な救済が可能になる」と強調。係争の減少や事業者の品質向上にもつながり、競争力とイノベーションの促進が期待できると述べた。

 レモン法案はすでに、法制委員会の審査および憲法77条に基づく国民・事業者・関係機関からの意見聴取を終えている。対象は事業者・消費者間の取引に加え、事業者同士の取引、割賦販売、ローン付販売、交換契約も含む。一方、中古品、生体動物、消費者同士の売買は対象外となる。

スパマート首相府相 写真:タイ首相府

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