タイEV支援策の終了で中国輸入車の流入懸念 工業連盟が警鐘

【タイ】タイ工業連盟(FTI)は、政府の電気自動車(EV)支援策「EV3.5」が2027年に終了した後、中国製EVの輸入が急増し、国内の自動車産業の供給網が弱体化する恐れがあると、警鐘を鳴らしている。中国メーカー製EVの急速な市場拡大に対する懸念は、タイ国内で以前から繰り返し指摘されている。

 EV3.5制度では、2024〜2027年のバッテリー式電気自動車(BEV)組立工場への投資を条件に、自動車メーカーに税優遇と補助金を提供している。FTI自動車産業部会は、「支援策がなくなれば、中国メーカーは国内生産よりも輸入を選ぶ可能性がある」とし、タイ産業を維持するための追加措置を政府に求めている。アセアンと中国の自由貿易協定「ACFTA」による関税ゼロの恩恵を受け、「中国メーカーは2027年以降に輸入量をさらに増やす」見通しを示している。

 同部会はまた、ピックアップトラック販売の長期低迷にも懸念を示している。銀行の融資基準の厳格化や家計債務の増加が主な理由とされるが、最近では消費者のニーズに変化が現れているとも指摘される。かつて年間30万〜35万台を誇った販売台数は現在は14万〜15万台にまで減少し、部品メーカーへの影響が深刻化している。

 生産台数も、これまではピックアップが6割を占めて乗用車が4割だったが、現在は割合が逆転して乗用車が6割を占める。中国メーカーによるBEV工場の稼働拡大が背景にあり、内燃機関(ICE)車のピックアップは電動化の進展に押されているという。

 同部会はさらに、EV普及促進と電子部品・自動車部品産業の支援を目的に、車両下取り制度の導入が必須とし、政府に提案した。ただ、EV移行を促すために提案されていた車両買い替え制度については、旧車の対象年齢、査定方法、廃棄・輸出の扱いなど未解決の課題が多く、財務省が見送りとする可能性が高い。

タイ国内モーターショーのBYDブース 写真:newsclip

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