慢性赤字のタイ国鉄に融資 閣議が180億バーツ承認

【タイ】タイ政府は11月4日の閣議で、慢性的な赤字に陥っているタイ国鉄(SRT)の運営を支えるため、運輸省が提案した2026年度の180億バーツ(約850億円)の借り入れを承認した。SRTの負債総額はすでに3000億バーツに達している。

 今回の融資は、SRTの2026年度(2025年10月1日~)の資金繰りを確保し、事業継続を可能とさせるもの。SRTは、利払いなど巨額の債務負担によって経営を圧迫されており、限られた収入のほとんどは線路、橋梁、信号設備、遮断機、照明といった鉄道インフラの維持管理に充てられている。老朽化した駅舎や車両の修繕費もかさみ、さらには年金給付も累積債務の一因となっている。

 こうした状況から支出が収入を大幅に上回り、2026年度は180億バーツの資金不足が見込まれていた。

タイ国鉄の3等客車 写真:newsclip

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