【タイ・ベトナム】アヌティン・チャーンウィーラクーン首相は6月8日午前、公式訪問先のベトナム・ハノイで同国進出タイ企業の代表らと意見交換した。会合には在ベトナム・タイ商工会(ThaiCham)をはじめ、農業、食品、小売、金融、エネルギー、工業団地、建材、消費財など幅広い業種の企業関係者およそ30人が参加し、ビジネス環境およびその課題、今後の投資機会について意見を交わした。
トー・ラム国家主席が5月29日にタイを公式訪問、今回アヌティン首相が就任後初めてベトナムを公式訪問するなど、両国関係の緊密さが改めて示された。同相はタイ企業との会合で、「タイとベトナムはいずれも地域の主要経済国であり、双方の強みを生かして共に成長することが可能」と強調。世界的な生産拠点として存在感を高めるベトナムと、産業・サービス・物流に強みを持つタイが連携すれば、アセアン経済の将来を牽引する「戦略的パートナー」になり得るとした。
サナン・アンウボンクンThaiCham名誉会頭(タイ・ベトナム友好協会会長)は、今回のアヌティン首相率いる訪問団が経済閣僚や安全保障部門を含む「過去最大規模」であると評価。政府と民間が一体で取り組む「チーム・タイランド・プラス」の具体的な形だと述べた。
企業側からは、ベトナムでの事業経験や外国投資を呼び込むための制度面の強みなどが今回の会合で共有され、タイでも応用可能な点があるとの評価の声が聞かれた。貿易・投資面での課題が依然として残るものの、協力拡大の余地は大きいとの見方が示された。アヌティン首相は、「民間の声は政策立案に不可欠」とし、「寄せられた意見や提案は関係機関と協議してタイ企業の競争力向上につなげる」と締めくくった。
会合後、アヌティン首相はタイとベトナムの民間企業による覚書(MOU)2件の交換式に立ち会った。内容は、1)タイ工業団地大手「アマタ・グループ」とベトナム最大級ICT企業グループ「FPTコーポレーション」によるスマート工業団地開発、2)タイ最大複合企業「CPグループ」とFPTコーポレーションによるAI活用に関する協力の2件。
今回の訪問では、トー・ラム国家主席、首相、国会議長らとの会談が予定されており、タイ企業から寄せられた意見も踏まえ、サプライチェーンの連携強化や投資・事業活動を円滑にする制度整備(Ease of Doing Business)の改善を重点的に協議する。両国企業の相互投資を促し、長期的な成長につなげるのが狙い。
























