タイの消費者物価、11カ月連続で前年割れ エネルギー高騰への緩衝材に

【タイ】タイ消費者物価が11カ月にわたって下落を続けている。タイのメディアが政府発表や外電などを引用して伝えるところによると、中東情勢の緊張を背景としたエネルギー価格上昇が、インフレ圧力を和らげる要因になるとの見方が出ている。

 商務省によると、2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で0.88%下落し、1月の0.66%の下落からマイナス幅が拡大した。前年割れは11カ月連続となる。一方、エネルギーや生鮮食品を除いたコアCPIは0.56%上昇。コア指数がプラスを維持していることから、商務省は、現時点でデフレ局面に入っていないとの認識を示している。

 中東の緊張が世界的な原油価格の押し上げ要因となり、多くの国でインフレ率が目標を上回る中、タイでは物価全体の下落と低水準のコアインフレが、外部要因による影響を吸収する余地を生んでいる。タイの消費者物価指数は、エネルギーと食品が全体の7割ほどを占めており、過去1年間はエネルギー価格の落ち着きが、インフレ率をタイ中央銀行(BOT)の目標レンジである1~3%を下回る水準に抑えてきた。

 商務省は原油価格の上昇を受け、3月にはインフレ率が加速するとの見通しを示している。現在はインフレ率を0~1%と見込んでおり、来月にも予測を見直す方針。

 同省貿易政策戦略事務局(TPSO)は、インフレの先行きは中東での紛争の激しさや長期化の度合いに左右されるとし、見通しの判断は難しいと発表。原油価格が1バレル80~120米ドルの範囲で推移した場合、今年のインフレ率は1~3%に高まる可能性があるという。原油価格の上昇は、調理済み食品や日用品のコストを押し上げ、物価全体に上昇圧力を与えると指摘している。

 ブルームバーグ・エコノミクスは、エネルギー価格が10~20%上昇する状況が続いても、タイのインフレ率は中銀目標の上限を下回ると分析。より厳しい想定でも今年の物価上昇率は0.8%にとどまると試算している。

 中銀のウィタイ・ラッタナーコーン総裁は、インフレ率が上向いても「管理可能な範囲」に収まるとの見解を示し、中東情勢の影響で今年の国内総生産(GDP)成長率が0.1~0.2ポイント押し下げられる可能性があると述べた。一方、政策金利を0.25ポイント引き下げて1.00%とした後は、追加利下げに慎重な姿勢を示している。

バンコク・クローントゥーイ市場 写真:newsclip

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