【タイ・ベトナム】タイ王室系複合企業サイアムセメント・グループ(SCG)傘下のロンソン・ペトロケミカルズ(LSP)が、昨年11月から停止していたベトナム南部バリア・ブンタウ省の石油化学コンプレックスの操業を全面的に再開した。SCGが8月20日、採算性の改善を受けて再稼働に踏み切ったと発表した。
SCGは、「世界的な市況は依然として厳しいが、今回の再開は市場動向を注視しつつ、操業の好機を積極的に捉えたもの」と説明した。LSPは現在、原料にエタンを導入することで競争力を高める総額5億米ドルの設備投資を進めており、2027年の完了を見込んでいる。ベトナムと米国との経済・通商関係が一層深まるとの見方も示し、同施設が将来的に米国産エタンを使用する可能性を示唆した。
LSPの年間生産能力は、高密度ポリエチレン50万トン、直鎖状低密度ポリエチレン50万トン、ポリプロピレン40万トン。主に中東から輸入したナフサやプロパンを原料としている。