【タイ】ペートーンターン・チナワット首相兼文化相は7月8日、自らが推進するソフトパワー構想が今後5年間で1兆バーツ(4兆5000億円相当)の収益を国にもたらすとし、その実現を「約束」した。バンコク都内で同日始まったイベント「SPLASH-Soft Power Forum 2025」で発言した。
ペートーンターン首相は就任直後より、観光、スポーツ、文化、料理の紹介をはじめとするソフトパワーの推進に力を入れており、今年を「観光とスポーツの年」に設定していた。首相職務の一時停止を受けていることから、8日は文化相として「Thailand Rising: Tourism, Education, and the New Soft Power Frontier」と題した演説を行い、自らのソフトパワー構想を打ち出した。
首相はまず、タイ料理に触れ、「世界的に知られるようになって久しく、今後はただ単に料理の味を売るのではなく、タイでの料理体験を売っていきます」とし、料理ツアーなどの企画によってタイを「料理のデスティネーション」としてアピールしていく考えを披露した。各国でのタイ料理店の開店を促し、家庭でも味わえるよう国際的な加工食品の流通網を構築する。
やはり世界的な人気を誇る「ムエタイ」については、格闘技(スポーツ)という位置づけから「世界的ライフスタイル」に発展させていくという計画に触れた。本来の格闘技としてのムエタイも極めるべく、プロリーグの強化に取り組んでいく。
女性に人気のマッサージやハーブトリートメントなどでも、「ホリスティックな体験」を可能とする場を創作。対外的にはタイハーブほかマッサージ自体を輸出していくアイデアを説明。ほか、映画やクリエイティブ系の世界での支援も明らかにした。
SPLASH-Soft Power Forum 2025は、バンコク都内のコンベンションセンター「クイーンシリキット・ナショナル・コンベンションセンター」で11日まで開催。
写真:バンコク都庁(BMA)