【タイ】タイ陸軍第2軍管区は7月29日、東北部スリン県パノム・ドンラック郡のカンボジア国境に面して建つクメール遺跡「プラサート・タームアン・トム」に有刺鉄線を敷設し、カンボジアからのアクセスを遮断した。同遺跡は、24日からの軍事衝突で最初に戦闘が起きた場所。
プラサート・タームアン・トム一帯はもともと国境線が未確定だが、1935年に確認された分水嶺を根拠に、タイが実効支配を続けている。実際、カンボジア領土として同国兵士が警備する区域は、遺跡から一段下がった地形を成す。
プラサート・タームアン・トムを囲む有刺鉄線は以前にも存在したが、友好関係構築を目指して2011年に撤去され、それ以降カンボジア領土とは簡素な柵で仕切られていただけだった。今回、国境紛争でカンボジア軍が越境攻撃を仕掛けて武力で同遺跡を確保しようとしたことから、第2軍管区は停戦合意で戦闘が収まった直後、有刺鉄線の再びの敷設に乗り出した。
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写真:スリン県住民コミュニティのフェイスブック ชุมชนคนสุรินทร์