【タイ】タイ最大与党プアタイ党のウィスット・チャイナルン下院議員は7月7日、「カジノ法案(複合娯楽施設法案)」の撤回を明らかにした。党および内閣の了承のもと、下院での審議の期日だった9日に取り下げる。
ウィスット議員は、ペートーンターン・チナワット首相が一時停職に追い込まれた直後から、法案の撤回をメディアにほのめかしていた。理由を「国民からのさらなる理解を得るため」としているが、与党第2党だったプームジャイタイ党の政権離脱で与党の議席数を減らし、ゴリ押しだったペートーンターン首相も停職中とあって、実現が遠のいたと判断したもよう。同議員は、法案が将来的に再び提出されるかといったメディアからの質問に、「答えるには時期尚早」として明言を避けた。
カジノ合法化はもともと、ペートーンターン首相の父親のタクシン元首相が現役時代に打ち出したものの、反対意見に押されて実現できなかった経緯がある。今回、娘をとおして再び成立を試みたが、またもや失敗に終わった形となった。
タイの「カジノ施設建設」、国民の過半数が反対 政府未だゴリ押し
閣議でカジノ法案再び承認 「公聴会で80%が支持」
カジノ法案で賛同得られぬタイ政府、施設概要を先に説明