カジノ法案で賛同得られぬタイ政府、施設概要を先に説明

【タイ】タイ政府は6月4日、カジノ法案(複合娯楽施設法案)の成立を受けて開発される予定の「複合娯楽施設(Thailand Entertainment Complex)」の概要を明らかにした。ゴリ押しするも各方面からの猛反対で先に進まず、「いいとこ取り」の説明で国民の注目を集める戦略に打って出た形だ。

 説明は首相府主導で行われた。開発は1000億バーツ(4500億円相当)規模で、民間投資を誘致する。「施設の建設中は0.23%、開設後は0.2~0.8%のGDP押し上げが見込まれる」と説明。外国人旅行者の滞在中の支出は、「現在の1回当たりの平均6000~7000バーツを、一気に2万2000バーツまで引き上げられる」とした。ローシーズンでも旅行者数を維持できる体制が整い、年間1000億~2000億バーツの観光収益上乗せが期待される。雇用創出は2万人を見込んでいる。

 施設内には展示センター、(芝の張り替え不要な)屋内スタジアム、大規模コンサート会場、博物館、ウォーターパーク、(ディズニーランドやユニバーサル・スタジオなどをイメージさせる)遊園地、ホテル、高級レストラン、(OTOPなどの)タイ伝統品の販売店などが揃う。

 政府は、施設から得る歳入を年間120億4000万~392億5000万バーツと細かく計算。教育、(音楽、スポーツ、テクノロジー分野での)青少年育成、公衆衛生、社会的弱者支援、周辺地域のCSR(企業の社会的責任)の確立、コミュニティ開発などに充てると約束している。

 肝心のカジノは「厳格な規制を設ける」と強調。「ギャンブルの自由化」ではないと繰り返し説明した。マネロン(資金洗浄)も強固なセキュリティプロトコルによって防止される。

 政府は、カジノ法案はあくまでも「GDP押し上げ、観光収益増収、雇用創出」などを目的としたものであり、カジノ利用者はほぼ外国人旅行者に限られると説明しているが、違法賭博といった地下経済を地上に引き上げたいという思惑が強い。反対派は、「仏教国というタイのイメージが損なわれる」「タイ国民もカジノの影響を受けて賭博漬けになる」「公営宝くじがあるのに違法賭博はなくなっていない。カジノを合法化しても地下経済は地下のまま」などと主張している。

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画像:タイ首相府広報局(PRD)

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