【タイ】スリヤ・ジュンルンルアンキット副首相兼運輸相が、バンコク都内3カ所に散らばるバスターミナルを、国鉄のクルンテープ・アピワット中央駅(バーンスー駅)横に集約する計画を明らかにした。鉄道駅とバスターミナルが近接する東京駅や博多駅からヒントを得たと話している。
バンコクのバスターミナルは現在、主に中部・北部方面へのバスが乗り入れる北バスターミナル(モーチット2)、主に南部方面へのバスが乗り入れる南バスターミナル(サーイターイマイ)、主に東部方面へのバスが乗り入れる東バスターミナル(エーカマイ)に分かれている。東バスターミナル以外は都市鉄道に接続しておらず、特に南バスターミナルはバンコク西端タリンチャン区に位置し、タクシーで向かうとバス運賃よりも高くつくと不評で、改善が求める声が挙がっている。
ただ、スリヤ副首相が打ち出した計画は、クルンテープ・アピワット中央駅周辺の道路設計が大量のバス乗り入れに対応していない、同駅につながる道路の交通量が飽和する、排ガスによる大気汚染が局地化するなどといった理由で、それほど賛同を得られていない。現在3カ所に散らばるバスターミナルも、各方面へのアクセスが良好でそれなりに便利、といった意見が聞かれる。
否定的な意見に対し、スリヤ副首相は運輸省道路交通政策企画庁(OTP)に事業化調査を指示したことを明かし、実現に向けての意慾を示した。
同首相は国民ウケの発言が多く、実現しなかった計画や政策もある。