立ち退き要請はテナント料滞納ではなく「美化のため」 都庁が説明変える

【タイ】バンコク都庁(BMA)市場事務局が、立ち退き要請を巡ってトラブルが発生しているウィークエンド・マーケット(チャトゥチャック市場)のテナントに対し、改めて立ち退きを要請した。理由はテナント料の滞納ではなく、以前からの「美化計画」に沿ったものと説明している。

 トラブルが起きているのは、時計台周辺のセクション30の露店スペース。市場事務局は当初、「過去5年間テナント料が支払われずに都としての収入が皆無、用地は再開発される計画となった」とテナントに告げて契約更新を拒否したという。

 これに対しテナント側は、指摘のあった2019年から2024年まで、月額1400バーツの賃料と500バーツの共益費を払っていたと反論。市場事務局による汚職の疑いがあるとして、計529店がタイ中央行政裁判所に訴えを起こし、ペートーンターン・チナワット首相、チャチャート・シッティパン・バンコク都知事、タイ汚職取締委員会、タイ政府汚職防止委員会(PACC)などにも直訴した。

 市場事務局は今回、コロナ禍でテナント料の徴収を見合わせていたことが減収の理由だったと釈明し、汚職はなかったと明言。立ち退き要請は、時計台周辺が混雑して見栄えが悪く、空気も入れ替わらずに不健康であることが理由と、説明を変えた。ただ、時計台周辺を対象とした美化計画は以前から存在していたようで、立ち退き要請は今回が初めてではないとし、「ほかのセクションに有利な条件での引っ越しを提案し、受け入れたのは15店だけだった」と付け加えた。

 市場事務局は期限を4月30日まで延長し、テナントに対して改めて立ち退きを要請した。

汚職が原因で都庁が開発計画を誤判断か ウィークエンド・マーケットのテナント529店が訴え

ウィークエンドマーケット(チャトゥチャック市場) 写真:newsclip

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