【タイ】タイ商務省がコメ価格の下落を受け、フェア開催や輸出市場拡大による価格引き上げを計画している。直近では、中国や南アフリカへの計60万トン規模の輸出が見込まれているという。
商務省国内通商局(DIT)がまとめるコメ価格は現在、ジャスミン(ホームマリ)米が1トン当たり前年比8%増の1万5500~1万6500バーツ、(香り米としてジャスミン米に次ぐ品質の)パトゥムタニ米が同16%減の1万1500~1万2700バーツ、いわゆるタイ米と呼ばれるインディカ米(うるち米)が同30%減の8300~9000バーツで推移している。DITは今月20日にも関係機関による会議を開き、農家支援などの対策について話し合うとしている。
商務省は現在、20日までの予定でアユッタヤー(アユタヤ)県でコメのフェアを開催中で、今後4月までに国内14カ所で同様のフェアを展開する。それぞれの開催地で1トン当たり100~200バーツの価格上昇を狙う。
また、ピチャイ・ナリッタパン商務相が3月に南アフリカを訪れ、同国への30万トン、52億5000万バーツ規模のコメ輸出契約の覚書に署名する予定だという。中国への28万トンの追加輸出でも覚書を交わす見込み。ピチャイ商務相は、米国、欧州諸国、近隣ではフィリピンといった市場でのタイ米の売り込みにも努力していくと話している。
タイは今年、競合国インドが輸出量を引き上げ、輸入国インドネシアが輸入量削減に転じることから、コメ輸出の減少が危ぶまれている。