タイ77景(45)ヤラー県(Yala)タイ南部

 タイ最南端の県。イスラム教徒が県民の70%以上を占め、ヒジャブ(スカーフ)で顔を覆う女性をひんぱんに見かけるなど、イスラム色が最も濃い県。マレー語方言のマラユー語が話され、県内の地名も多くがマラユー語を語源とする。

 「タイのスイス」と呼ばれるほど、緑が豊か。特にヤラーから国境の町ベートンに抜ける山道を走るときは、山あり湖ありと、他地域とは違った景色を満喫できる。現在はマレー系分離独立派のテロが多発しているため、観光客は皆無。県民もテロを嫌って県外に移住するなど、人口減少に悩まされている。ただベートンだけは、マレーシアからの越境が容易で、週末はナイトライフを楽しむマレーシア人でにぎわう。仏教、イスラム、歓楽、テロが混在する町として、映画の舞台ともなった。

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人口: 54万2000人(2021年、内務省地方自治振興局)
面積:4521平方キロメートル(エネルギー省)
距離:バンコクから1814キロ(タイ道路協会)
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