【タイ】スチャート・チョムクリン副首相兼天然資源環境相は12月12日、タイの国立公園で2025年度の来園者数が最も多かったのはカオヤイ国立公園で、214万人に達したと発表した。年末年始や年明けの乾期といったハイシーズンを前に、国立公園野生動植物局に安全対策や環境保全策の強化を指示したことを明らかにした。
本格的な観光シーズン到来でタイ人・外国人とも来園者数の増加が見込まれるとし、安全確保を最優先としたレンジャーの増員、インフラ改善、環境管理の徹底などを進めているという。カオヤイ公園にとどまらず、年末年始は全ての国立公園に「観光案内・救助センター」を設置し、危険箇所には救助隊を常駐させ、最新の救命装備や搬送体制を整える。崖や急斜面には警告標識、照明、手すりを設置し、必要に応じて職員を配置する。
トイレ、キャンプ場、バンガローなどの清掃体制も強化し、休憩所や無料の飲料水ステーションを整備。外国語対応が可能なスタッフを配置した案内所も設け、各公園の収容力に応じて入園者数を管理する方針だという。
また、保護区としての持続可能な観光を推進するため、「食品廃棄ゼロ」を徹底。環境保全として、「ごみ持ち帰りキャンペーン」の推進や、園内での使い捨てプラスチック・発泡スチロールの全面禁止を継続する。来園者や売店に対し、資源の効率的利用や再利用容器の持参を呼びかけている。
さらに、公園内への酒類持ち込みの禁止、野生動物を驚かせる大きな音の自粛や餌やりの禁止、ペットの持ち込み禁止などのルール順守も求める。海洋国立公園では、サンゴ礁など海洋生物に有害な成分を含む日焼け止めの使用も禁止している。
2025年度の国立公園全体の来園者数は1933万2396人で、観光収益は22億800万バーツ(112億円相当)を超えた。来園者数の上位5カ所は以下のとおり。
1)カオヤイ国立公園:214万人
2)ハート・ノッパラット・ピーピー諸島国立公園(南部クラビー県ピーピー諸島):187万人
3)カオレーム・ヤー-コ・サメット国立公園(東部ラヨーン県サメット島):104万人
4)ドーイ・インタノン国立公園(北部チェンマイ県):86万5000人
5)ナームトック・ブアトーン-ナームプ・チェット・シー(北部チェンマイ県):60万5000人
公園内で緊急事態に遭遇した場合は園内職員に直接連絡するか、24時間対応の国立公園ホットライン「1362」に通報するよう求めている。



















