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- 〈タイ業界事情〉ERPシステムにおけるAI機能を使用した未来予測について(5000人の合格者を電子機器無しでいかに効率よく発表するか) BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.
〈タイ業界事情〉ERPシステムにおけるAI機能を使用した未来予測について(5000人の合格者を電子機器無しでいかに効率よく発表するか) BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.
- 2019/6/3
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難波 孝次 氏 Managing Director
今回は前回の続きということで、先ずは前回のおさらいをしてみたいと思います。前回の設問では5000人の入学枠がある学校に1万人に受験者が訪れた場合、どのように合格者の発表をおこなえば良いかということで、様々な手法を採用することにより、同情報を一つのQRコード内に収めることは可能であることが分かりました。
そこで次の問題として、ではパソコンやスマートフォンといった電子機器を使用しないと考えた場合、どのようにすれば効率よくしかも受験者が迅速に合否の情報を確認することが出来るのかについてを考えてみたいと思います。
AIの話を表題に掲げておきながら、電子機器を使わない設定というのもどうかとは思うのですが、これは後にAIの説明部分に絡んでくる内容でもありますので、もう少しお付き合いをお願い出来ますでしょうか。それで電子機器を使わないとなれば、合格者の発表は必然的に紙媒体となりまして、ただ5000人もの受験番号を記載するとなりますとそれなりのボリュームとなりまして、その中から一つの受験番号を探し当てるのは、結構大変な作業となります。
そこで、前回のお話のなかにありました情報量を圧縮する手段といたしまして、情報の位置に意味を持たせるという手法をここでも採用してみるとどうなりますでしょうか。具体的には受験番号の1番から順に合否の情報を○かXで表す形になるのですが、ただ一万もの文字数をそのまま順番に記載するとなると巻物状の紙が必要となる訳で、そんなものを送ってこられても嫌がらせの類としか思われないでしょう。大体紙媒体として通常我々が取り扱っているものはA4サイズなりA3サイズなりといった縦も横も物理的な制限がありますことから、その中に文字数を効率よく収める必要があります。
この為、単純に考えれば1行に出力する文字数を決めておいて、続きは行を変えて順次出力するという手法が考えられまして、情報としては全部で1万文字ですので、分かり易く1行を100文字という風に決めますと、100文字×100行でちょうど1万人分の情報を出力することが出来ます。一文字分の情報としては〇かXだけですので、A4サイズですと流石に厳しいのですが、A3サイズであればそれほど目を凝らさなくとも識別は可能になるのではないでしょうか。
それで、いよいよこれからが本題となるのですが、この100文字×100行で〇とXが羅列されたものの中からどうやって自分の合否判定を探し出すのかということで、例えば受験番号が2540番の人ですと1から順番に文字数を数えていく訳にもいきませんので、何行目の何列目という形で認識していく手法が採られます。具体的にはこの縦横100要素ずつのマトリックス表の上下左右に0から99までの番号を振り、それで2540番ですと25行目の40列目という形(10000番目の情報は便宜上0行目0列目に表される)で位置情報を認識出来れば、あとは該当の行及び列にアンダーラインを引いて、その二つのラインが合わさった位置を見れば2540番の合否情報が分かるという仕組みとなります。
あと、この方法を更に推し進めたものとしまして、あらかじめ検索ツールを作成しておくという方法もございまして、これを使うと瞬時に合否情報を取得することが可能となります。具体的には前述の縦横100要素ずつのマトリックス表と同じ大きさの紙を用意しまして、その紙の上に同じように100×100の升目を描きます。ただ、その表には升目だけで中は空白としておきまして、それで受験番号2540番の人であれば、25行目40列目の升目のみ切り取っておけば、これで検索用紙の作成は終了です。それで上記の結果発表マトリックスが送られて来た際には、この自分の受験番号升目が切り取られた検索用紙を結果発表用紙の上に重ねるだけで、自分の合否判定だけが見えるというからくり(というほどのものでも無いですが)でございます。この方法ですと穴を空ける数を増やせば、複数人の合否情報を一度に間違いなく取得できるという利点もあります。
今回のお話は、AIどころかコンピューター以前の暗号解読の技術を応用したもので、ではこれがどのようにAIに関連付くかと言いますと、このお話の肝の部分としては情報を1次元の状態で認識するよりは2次元の配列状態で認識した方がより分かり易くなるということでございまして、ただ紙の上の情報ですと当然のことながら2次元までが限界なのですが、これがコンピューターの中ですと3次元はおろか4次元5次元といった世界まで実現は可能となります。ただ5次元とかなると具体的なイメージは湧かないのですが、あくまでの理論上でのお話ということで、ではこの多次元配列がどのようにAI技術に結びつくかという点については、また次回のお話とさせていただけますでしょうか。
BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.
住所:333 Lao Peng Nguan Tower 1, 17th Floor, Unit B1, SoiChaypuang,
Viphavadi-Rangsit Road, Chomphol, Chatuchak, Bangkok 10900
電話:0-2618-8310-1 ファクス:0-2618-8312 Eメール:toki@ksc.th.com
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