タイで生産管理システム導入のコツ① 失敗しないための事前準備

 はじめまして今回から数回に分けて『タイで生産管理導入のコツ』というコラムを書かせて頂きますMATの西本と申します。私は日本の電機メーカーで大型コンピュータ(汎用機)のシステム営業を担当した後1996年5月からタイで生活しております。そのほとんどの時間を日系企業様向けに生産管理システムの販売・導入サポートを担当させて頂いております。

 さて今回は第1回目ということで『失敗しないための事前準備』というお題でお話しさせて頂きたいと思います。今回は次の4点についてお話させて頂きます。

1.データの整備
2.目標の策定
3.現状の把握
4.業務の整理

1.データの整備について
生産管理システムやERP(会計などを含む全社システム)を導入するにはデータの整備が必要になります。今まで各部門で個別にExcelなどで管理していた顧客情報・製品情報・原材料情報などのコードまたはその桁数などが部門によりバラバラなケースが多くみられます。フォーキャストから受注・生産計画・購買・受け入れ・製造指示・払い出し・製造報告・製品入庫・製品出庫・Invoice発行と製造業務のほぼ全ての場面で使用するシステムになりますからデータの統合が必要になるのです。実際に行ってみると製造現場と経理または同じ製品や部材でコードが異なっていたりするケースが多く見られます。これらの統合には一定の時間が掛かりますからシステム導入の前に作業されておくことをお勧めします。

2.目標の策定
皆さんは生産管理システムと聞いて何を管理するシステムだと思うでしょうか? 在庫・作業進捗・納期管理・原価管理など各担当者や役職などで重きを置くポイントが変わってくると思います。当然各現場のリーダと経営者では必要とするデータや管理するポイントも異なってきます。そこで一旦生産管理システムという大きな仕組みではなく各部門や担当者を具体的にイメージして個別業務の効率化や理想とする業務の流れを検討する事をお勧めします。それらの個別業務を併せた全体フローを作成しその上で私共のような業者とお話して頂けると大変スムースに導入が進むと思います。もちろんパッケージソフトでは作成頂いたフローの全てをそのまま実現することは難しいと思います。

 そこで”必ず実現しなければならない機能”や”出来れば実現したい機能”と云った重みづけをして頂き導入を進める事になります。もちろんソフトウェアですから費用を掛ければ全てのご要望をカスタマイズできるかもしれません。但し膨大なカスタマイズを施したシステムはWindowsやデータベース・パッケージの更新時に対応できないケースが出てきます。素早く・業務標準となるパッケージソフトを使用する場合できるだけカスタマイズを最小に抑えることが投資を抑え長くシステムを使用できるコツかと思います。ここではただ単に生産管理システムの導入ではなく具体的な改善のイメージとフローを持ってパッケージ選定して頂く事が大切であるというお話をさせて頂きました。

3.現状の把握
さて2.で目標の策定と書かせて頂きました。では目標を達成するためには何が必要でしょう? 生産管理システム導入は通常1年程度の時間と相当の費用をかけて行われます。また導入後も毎年ハード・ソフト・サポートといったメンテナンス費用や、新製品や顧客対応のカスタマイズや運用の変更などが続きます。そうした費用を支払ってシステム導入するわけですからその効果を正確に把握して目標達成の可否を評価する必要があるのではないでしょうか? 例えば『在庫削減』という目標を掲げた場合
少なくとも【現状の在庫回転率】や【仕掛在庫の占める割合】などを導入前に把握しておく必要があると思います。他にも『製造期間の短縮』『納期遅れの撲滅』『在庫精度向上』『客先サービス向上』…etcといった目標に対する現状についても同様です。

4 .業務の整理
生産管理システムの導入は現状の業務を見直すチャンスでもあります。実業務がシンプルであれば管理業務も正確で迅速になります。今当然と思って作業されている事柄をもう一度考えてみては如何でしょうか? 以下に過去3つの事例をお話させて頂きます。

①自動車部品製造A社
A社の取引先は日本の各工場です。日本の複数ある工場はM&Aで増えた事もあり工場ごとでコードや価格・取引条件が異なっていました。そこでA社ではシステム導入前に日本を含めた業務見直しを実施し各工場との取引業務を共通化させました。

②電子機器製造B社
B社は世界各国の販社からの注文を一旦日本本社で取りまとめてタイ工場に発注していました。特に新製品発売前には各販社が多めの発注を行い、更に日本でもバッファを考慮していたので、新製品発表前に業務が集中し製造のムラが発生していました。
そこでB社では各販社の製品在庫をタイ工場にも共有し発注も各国からタイ工場に直接行う事としました。これにより販社での一時的な過剰在庫と製造のムラが解消しました。

③自動車部品製造C社
C社では取引先拡大と共に工場を建て、同じ敷地に当時第4工場までが稼働していました。それぞれの工場拡張に併せて購買や営業部門を追加したことで同じ会社で4つの購買部門・営業部門が出来ていました。ERP導入時にこれらを統合し業務効率を大きく改善しました。

 次回タイで生産管理システム導入のコツは『日本と同じ仕組みで良いですか?』についてお話させて頂きます。

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筆者:西本栄次
Material Automation(Thailand)Co.,Ltd.
SI4 Div Manager
日本での大型計算機販売の後
96年5月から在タイ

タイでは主に生産管理システムの販売・
サポートを中心に活動

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