建築・設計・施工・3Dデザイン 福孝工務店

岡野 孝治 氏 President

タイ進出が目に付く日系中堅ゼネコン

 タイの建築市場といえば一昔も二昔も前より、日本のゼネコンが活躍してその名を馳せている。いずれも、「超」が付くほどの誰もが名前を知る大手で、地場企業と良好な関係を結んでさまざまな物件の建設に携わっている。タイの地にそびえる、日本の技術が駆使された建物の姿は、日本人なら誰もが誇らしく感じるだろう。

 一方、中堅クラスのゼネコンは進出がないわけではないが、業界的に大手ほどには目立ってこなかった。それが数年前から今年にかけてだろうか、中堅クラスの進出がちらほらと目に付くようになってきた。実際に商談を交わす機会があり、お引き合いもいただいている。正確な進出社数は未知であるものの、業界的にこの1年で数社、というペースだろうか。東京五輪に沸く首都圏や地方都市部からではなく、中小都市からが多いように思われる。

 大手ゼネコンは都心部で高層ビルを手がけることも少なくないが、どちらかというと需要は地方の工場建設にある。一般の日本人にとってこれまで、バンコク都心部で日系ゼネコンの名前を見かける機会はさほど多くなかった。中堅クラスのゼネコンはというと、8階程度の低層分譲マンションを手がけるなど、バンコク都心部でも街を歩く日本人の目に留まる程度に目立っている。

 ゼネコンの活躍は幅広い業界に経済効果をもたらす。タイでも地場のみならず日系ゼネコンが活躍することによって、タイ経済の底上げが促されるものと期待される。日系ゼネコンだからといって、受発注で(下請けなどの)日系業者が優先されることはない。この数年はやはり、日系デベロッパーのタイ進出が目立つが、建設を手がけるのは地場ゼネコンが多い。

 ただそれでも、日系デベロッパーや日系ゼネコンの仕事では、日系業者がより関わるようになってくる。タイ人のお客様の間でも今や、「人の目に触れるところは品質を高めたい」という需要が増えており、弊社もそのようなニーズでお声がけをいただく。お見積りはおのずと高めになってしまうが、需要に応えることができれば評価につながり、受注も安定的となる。

 内装の品質というのは、一般の人の目に付かない専門的な部分もあれば、「つなぎ目は揃っているか、不要な段差が生じていないか」など、気を付ければいくらでも目に付く部分もある。日系ゼネコンと共に、弊社のような日本の品質を大切にする企業の活躍の場が増えてくれば、タイ人にも日本人にも「造りの良さ」を実感してもらえるようになっていく。

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