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タイで生産管理システム導入のコツ⑤ 業者選定のポイントは?
- 2023/2/23
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皆さんは何らかのシステム導入をする場合どういう基準で業者選択をされていますか? 通常一番多いのが『価格』と『実績』ではないでしょうか? もちろん各社で執行できる予算には限りがありますしできるだけ安く導入したい。また出来るだけ導入地域での実績があるものと考えるのではないでしょうか? 今回は上記に加え次の4点についてお話しさせて頂きます。
1.そのシステムは何年使うのか?
2.デモと概算価格そして実績
3.概算価格について
4.誰が導入支援するのか?
1.そのシステムは何年使うのか?
以前私が担当したお客様でシステムをアメリカの方が担当した事がありました。その方が業者選定時最初に重きを置いたのが今後少なくとも10年間はシステムを使用したいので経営状態の良い会社を選びたいという事でした。タイでは株式会社の決算はインターネットで商務省の情報を過去数年に遡って見ることが出来ます。タイは日本と比較して比較的簡単に起業できますので毎年多くの企業が参入してきます。
未来を予想することは誰にもできませんが少なくとも健全な経営状態の企業を選定することリスクを軽減する事が出来ます。また出来るだけ提案を依頼する企業に訪問することをお勧めします。いくら安価で優れたシステムでも1人の天才が奮闘する企業では、病気や事故などの場合不安が残ります。ですから現地を訪れ、現場を見て、現物を知る、3現主義を実践してみて下さい。
2.デモと概算価格そして実績
業者の1次選考が終われば次はデモをみて要件を伝えて概算見積もりを取得するはずです。デモではフォーキャストから受注>生産計画>所要量計算>発注>受入>製造指示>製造日報>製品入庫>製品出荷といった一連の流れを見ることになります。通常の生産管理システムはMRPを使用した集約型(多くの部品から1つの製品を作る)のシステムで大きな違いはありません。そこでお客様からの質問に
*標準機能で可能。 とか
*些細な改変で可能です。 といった回答があります。
実際ソフトウェアですからカスタマイズをすれば基本どんなご要望にも応えることができます。また標準機能で可能というのは同じでもその手順や運用の方法などは異なります。標準で出力可能であっても運用が煩雑だったり、出力までに相当の時間が必要な場合もあります。どんなソフトでも良い点や及ばない点があると思いますが、デモのプロである業者の説明は流暢でなかなか本質を見抜くことは難しいと思います。
そこで実績です。ここで言う実績は単なる導入企業数ではありません。たとえば製造を改善したいなら同様の製品を製造している企業の事例について聞いてみましょう。また販売を改善したいなら同じ取引先を持つ企業の事例。といった形で同じ問題を抱えていそうな企業でどうシステム化を行ったかを具体的に質問することで必要とする実績が判ります。
3.概算価格について
通常概算価格は必要な端末数を加味したパッケージ費用と年間保守費用及び標準の導入支援費用が提示されます。導入支援費用は要件定義から運用支援、トレーニングなどの標準的な価格の提示です。本当のシステム価格は要件定義が終わった後、カスタマイズ項目の提示を受けるまで判りません。
この時点で問題が発生するケースが見られます。例えば概算の費用提示が500万Bであったのに要件定義後、別途カスタマイズ費用が1000万B必要になるケースなどです。これはお客様はもちろんですが私共支援企業にとっても好ましいことではありません。
さて、ここで若干私共MATの宣伝をさせて頂きます。これを完全に防ぐ事は難しいのですがMATでは見積精度向上を目的とした以下の作業を見積前に実施しています。
a)各部門へのインタビュー
営業・生産管理・購買・製造現場・経理・経営者と云った各部門から現状の業務と問題点及び改善したい項目などを聴取します。その際に現在使用中の帳票やExcelのサンプルもご提示頂きます。インタビューは部門毎に20分~2時間程度、1日または2日間で実施します。
b)お客様業務フロー作成
インタビューを基にお客様の現状業務フローと私共の推奨するシステムを使用した場合のフローを作成します。
c)想定カスタマイズ項目の洗い出し
インタビューに基に想定されるカスタマイズ項目と概算を提示します。これにらの作業を行うことにより可能な限り見積精度を高める事ができると考えています。
4.誰が導入支援するのか?
さて導入支援業者を選ぶ最後のポイントです。それは誰が導入支援を行うのかという事です。実際に担当する方とお話してみて下さい。お客様の要望を具現化するにはそれなりの経験が必要です。私がF1に乗ってサーキットを走ってもレーサーの方に全く敵わないように誰が導入支援するかは大変重要なポイントです。良いエンジニアというのはお客様の要望を全て叶えるエンジニアではありません。
例えば最初から在庫・原価・ロット管理を実現したいというご要望でも現状の管理レベルが一定のレベルにない工場ではシステムは完成しても運用が追い付かない事があります。原価やロット管理は入力項目が倍増するのです。そういった場合にまずは在庫から始めて精度を確保した後に次フェーズに移行する提案を行えるのが良いエンジニアだと思います。
それを見極めるにはどうすれば良いのでしょう? 打ち合わせの時に普段工場で使う用語で会話してください。この品目は2Binで発注を掛けますとか。これらの部材はみずすましで工程に提供しますとか。他にも製番管理やローリング計画といった工場用語で話を進めてみて下さい。少なくともタイで工場用語で打ち合わせができるエンジニアは貴重だと思います。
次回タイで生産管理システム導入のコツは『海外のパッケージと日本のパッケージ』についてお話させて頂きます。
バックナンバー
タイで生産管理システム導入のコツ(1)失敗しないための事前準備
タイで生産管理システム導入のコツ(2)日本と同じ仕組みで良いですか?
タイで生産管理システム導入のコツ(3) どのモジュールから導入するか?
タイで生産管理システム導入のコツ④ 在庫精度を向上させるには?
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筆者:西本栄次
Material Automation(Thailand)Co.,Ltd.
SI4 Div Manager
日本での大型計算機販売の後
96年5月から在タイ
タイでは主に生産管理システムの販売・
サポートを中心に活動
生産管理システムの導入ならMATにお任せください!!
https://www.mat.co.th/business-solution/#business-sol-top
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