タイ選挙委、憲法裁にリベラル派最大野党の解党請求

【タイ】タイの公共放送タイPBSなどによると、タイ選挙委員会は12日の会合で、議会下院(定数500)第1党で野党のガウクライ党(ムーブフォワード党)の解党を憲法裁判所に請求することを全会一致で決めた。

 憲法裁は選挙委などと同様に、ガウクライ党と対立する王党派の強い影響下にあるとされる。ガウクライ党は憲法裁の命令で解党され、ピター前党首ら同党幹部は参政権が10年間剥奪される可能性が高いとみられる。

 憲法裁は今年1月、ガウクライ党が昨年5月の下院選で不敬罪の廃止改正を選挙公約に掲げたことについて、「国王を元首とする民主政体の転覆を図るもの」で、違憲だとする判断を下し、ガウクライ党に対し、不敬罪の廃止改正を目指すすべての活動を停止するよう命じた。これを受け、王党派の活動家らが選挙委にガウクライ党の解党を憲法裁に請求するよう求めていた。

 不敬罪はタイ国王夫妻と王位継承者への批判を禁じるもので、違反した場合、1件につき最長15年の禁錮刑が科される。タクシン政権(2001〜2006年)を打倒した2006年の軍事クーデター以降、王党派と民主派の対立が強まり、不敬罪で訴追、投獄される人が急増した。国際人権連盟(FIDH)によると、2021年11月30日〜2023年10月30日に不敬罪で訴追され一審で有罪判決を受けた被告は79人で、最も長い刑期は28年だった。

 ガウクライ党の前身はプラユット軍事政権(2014~2019年)下の2018年に設立された新未来党。同党は王室改革、不敬罪の改正、クーデターを繰り返すタイ軍の抜本改革、軍政が作成施行した民主主義を制限する内容の現行憲法の改正などを訴えて、2019年3月に8年ぶりに実施された下院選で81議席を獲得し、第3党に躍り出た。2019年10月には、2連隊の指揮権と予算をタイ陸軍からワチラロンコン国王に移管する緊急勅令の国会採決で唯一反対票を投じた。2020年11月、党首のタナートン氏が下院選に立候補した際にメディア会社の株式を保有していたことが選挙法違反だとして、憲法裁が同氏の下院議員資格をはく奪。翌2020年2月、新未来党が下院選の際にタナートン氏から1億9120万バーツを借り入れたことが1個人からの多額の政治献金を禁じた政党法違反にあたるとして、憲法裁が同党を解党し、タナートン氏ら党幹部16人の参政権を10年間停止した。

 新未来党の支持勢力が新たに立ち上げたガウクライ党は昨年5月の下院選で、不敬罪の廃止改正などを掲げ、151議席(比例代表の得票率36.2%)を獲得して第1党になった。しかし、プラユット軍政が議員を選任した非民選で王党派の議会上院(定数250)と下院の旧与党陣営が不敬罪の廃止改正に強く反発し、ガウクライ党による政権樹立を阻止。ガウクライ党と同じ旧野党陣営で141議席(比例代表の得票率27.7%)を獲得したタクシン元首相派のプアタイ党が旧敵である王党派と手を組み、政権を発足させた。

 

ガウクライ党のピター前党首(写真提供、 – Move Forward Party)

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