インター校サッカー部で活躍 目指すはヨーロッパのチーム
父の試合をいつも観戦していた少年時代
――サッカーは小さい頃から好きだったのですか?
父が社会人チームのサッカー選手でした。サッカーを強要されたことも選手になれと言われたこともありませんでしたが、当然のごとく幼稚園のころからサッカーボールに馴染んでいました。父とは休日にサッカーボールを蹴り合うぐらいでしたが、父が出場する試合はいつも観にいっていました。これまでずっと父とサッカーと一緒でした。
――プロ選手になりたいと思い始めたのはいつぐらいからですか?
小さい頃からばく然と思っていましたが、プロを目指すと決心したのは中3のとき、父の他界がきっかけです。毎日の生活でも、サッカーのことでも、その感謝の気持ちを存命中の父に伝えられていませんでした。自分がプロ選手になることが、父への感謝の意です。
――今は高校生、本業は勉強です。日本人学校からインター校に進学して苦労していることはありますか?
日本の学校で中3まで勉強してきた英語だけで、いきなりインター校の授業を受けることは無理でした。最初の1年は英語集中クラスで勉強、苦労が続きました。メインストリーム(本科)に上がってからも、特に理系は難しい言葉ばかりで、決して楽ではありません。でも言葉を一生懸命に覚えて、試験の問題が解けるようなると、とてもうれしいです。
世界レベルを実感できる練習 元プロ選手によるストレートな指示
――インター校の部活としてサッカーを練習しています。翼さんにとってそれはどのような意義がありますか?
イングランドのプロ選手だったコーチから世界レベルのサッカーを教えてもらうことができ、とても貴重な体験です。日本ではなく、イングランドなどヨーロッパでのプレーを目指しています。ここでのサッカーの練習は、自分にとって最高の環境です。さらにコーチは偶然にも自分と同じマンションに住んでいて、プライベートでも一緒にいてくれる感じがします。
――ある意味、お父さんのサッカーとは方向性が異なってきますね?
そうかも知れません。目指すのはプロですし、日本とヨーロッパでプレーの場も違ってくるでしょうが、むしろそれが希望です。でも、サッカーという夢を与えてくれた父と自分の、選手としての歩みは同じになると思います。
世界舞台で輝けるプロ選手になる
――日本でもずっとサッカーを練習してきたと思いますが、英国人コーチの下での練習は日本でのそれとどのように違いますか?
基本のレベルが全く違います。インター校の部活といえども、日本とは比較にならないくらいにレベルが高いです。細かい点をストレートに、ピンポイントで指摘してくれる点も違います。これが日本人のコーチだと、欠点をなじられたと思われて落ち込んでしまうかも、という心配があるのでしょうか、気を使った指摘になります。ストレートに指摘された方が分かりやすいのは当然です。
――今のサッカーの練習やこれから歩むべきサッカー人生で悩みはありますか?
学業では少々の不安がありますが、サッカーに関してはありません。ここまで来られたのは自分1人の実力ではなく、父からもらった夢と周囲の数多くの人たちの助けがあったからです。今タイでプロを目指す最高の場を与えてもらいました。それに感謝して声援に応えるために必ず、サッカーの世界舞台で輝けるプロ選手になります。
小泉 翼 さん
1999年タイ生まれ。父は千葉県の社会人サッカーチームでストライカーやディフェンダーとして活躍した小泉豊氏、母はタイ人。2歳から14歳までを千葉で暮らし、その後タイに戻る。中3で泰日協会学校(バンコク日本人学校)に転校、高校はバンコクのインター校の中でもサッカーの実力の高さで知られるトレイル・インターナショナルスクールに進学、サッカー部で活躍する。
同校ではサッカーの実力を大いに発揮し、3年ほどの在学年数ですでに、選抜メンバーとしてプロチームのキャンプへの参加でポルトガル、ダンディー・ユナイテッド契約選手との練習で英国スコットランドを訪れている。
名前の翼は日本とタイの架け橋としての「翼」。
鈴木 孝子 氏 コメント(日本語科主任・日本人部主任(Head of Japanese))
タイのインター校は今、多くがスポーツ育成に力を入れており、トレイル・インターナショナルスクールも例外ではありません。当校は中でも、サッカーとバスケットボールが有名です。
スポーツに積極的な子の多くはコミュニケーション能力がより高いといえます。ただ、インター校で必要とされる英語は学業のためのそれで、余暇に習うような英会話とは比較にならないレベルです。翼くんは日本人学校中学部を卒業して本校に入学、当初は英語集中クラスへの編入でした。授業を受けられるレベルの英語力を短期間で身に付け、翌年には本科のYear 10に上がった能力は非常に評価できます。
サッカーの練習を続けながら、今後は国際中等教育修了証取得試験(IGCSE)の合格、そして卒業に向けて学業にも全力を投入していかなければなりません。
Mr. Jamie Clarke サッカーコーチ(写真左)
1979年生まれ。故郷は土地の人間全てがサッカーに興じるといっても過言ではない英国タインアンドウィア州サンダーランド。父は「サンダーランドAFC」「ニューカッスル・ユナイテッド」「マンチェスター・シティ」で活躍したMr. Jeff Clarke。
16歳でサッカーへの道を本格的に歩み始め、プロとして 「マンスフィールド・タウン」「グリムズビー・タウン」「ロッチデールAFC」に所属。30歳で現役を退きタイ・チェンマイでサッカーコーチとして2年間勤めたものの、自身を見直すために母国で第一線に戻る。プロとしての実力を保持していることを見極めて改めて引退。再びタイでのコーチの話を受け、2016年にトレイル・インターナショナルスクールに赴任。
翼さんインタビューでのコメント
「ヨーロッパには確かに、強いチーム、実力のある選手が多く存在するが、アジアのチームや選手と極端な差があるわけではない。タイから世界を目指して成功する可能性は大いにある」。
TRAILL INTERNATIONAL SCHOOL
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