【タイ】政府は、南部チュムポン~ラノーン間(クラ地峡)を結ぶ総事業費1兆バーツ(4兆8000億円相当)規模の南部経済回廊「ランドブリッジ」計画について、現時点の貨物量では採算が見込めないとし、当面見送る方針を示した。代替措置として「ミッシングリンク戦略」と呼ばれる小規模な交通網の整備とラノーン港の拡張を優先する。
アヌティン・チャーンウィーラクーン首相はラノーン県で記者団に対し、「永久に中止するものではない」としつつ、「今は進める必要はない。採算が取れる段階になれば改めて議論すればよい」と説明。需要の回復を見極めた上で再検討する姿勢を示した。
政府が進めているのは、アンダマン海側とタイ湾側を結ぶ交通網の空白区間の解消で、国家開発計画の議論では技術的に「ミッシングリンク」と呼ばれる部分にあたる。今後はアンダマン海側のラノーン港の機能強化を進め、タイ湾側への貨物・コンテナの取扱量を段階的に増やす方針を示した。
長期的には、欧州からの貨物をラノーンで受け入れ、南部から中部・北部ルートを経て中国方面に輸送する新たな物流動線の構築も可能になるとしている。タイ産品についても、ラノーンを経由してインド、中東、欧州に輸送する選択肢が広がるとした。
首相は、「枠組みはすでに整っており、調査も完了している。必要になれば、どの形であっても拡張に対応できる」と強調。「政府が調査結果や開発計画を維持しつつ、現状の需要に合わせた段階的投資を進める」方針であることを示した。
政府は現在、同地域でのおよそ110キロの複線鉄道整備も検討している。
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