【タイ】タイ刑事裁判所は9月8日、第一野党プラチャーチョン党所属のチョンティチャー・ジェーンレオ下院議員に対し、不敬罪およびコンピュータ犯罪法違反で懲役2年8カ月の実刑判決を言い渡した。同議員は即日控訴し、保釈金30万バーツを納付して保釈された。
チョンティチャー議員は2020年、自身のフェイスブックページに王室についての投稿を行い、これが「社会的対立を煽動し、国家の安全を損なう」として不敬罪に問われた。本人は「表現の自由の範囲内」と主張したが、裁判所はこれを退けた。2021年のプラユット・ジャンオーチャー首相(当時)を批判する演説でも懲役2年の有罪判決を受けており、今回の判決と合わせて懲役4年8カ月の刑期を負うことになる。
先の下院での首相指名投票で、アヌティン新首相の誕生に重要な役割を担ったプラチャーチョン党は、「4カ月以内の議会解散」「小党参加型の連立政権樹立」「不敬罪廃止を柱とする憲法改正」を要求している。今回のチョンティチャー議員への実刑判決は、王室批判の封じ込めを狙った圧力との見方もある。