マレーシアがタイ産エビの輸入停止、タイ政府が対策強化

【タイ】マレーシア政府が6月1日付でタイ産エビ5品種の輸入を一時停止したことを受け、タイ政府は養殖業者への影響緩和に向けた緊急対策を打ち出した。商務省と農業協同組合省が連携し、短期・長期の両面での対応策を策定している。

 アヌティン・チャーンウィーラクーン首相は6月2日の閣議で、南部を中心とする養殖業者の困難を懸念し、両省にマレーシア側との早期協議を指示し、価格下落防止や生産物の吸収策を講じるよう求めた。エビ産業は、養殖業者、集荷業者、加工業者、輸出業者、労働者など幅広い層に関わる重要産業とされる。

 商務省は現在、月間400トンの影響分を吸収することを目標に13項目の緊急対策を実施している。マレーシア向け輸出量(平均月300〜400トン、4400万バーツ相当)に匹敵する規模で、短期的な国内外市場の両面での販路拡大を図る。同省国際通商交渉局(DITP)が中国での販促イベント「Top Thai Brands」(昆明・厦門)や「Thailand Week」(大連・蘭州)を通じて新規市場開拓を進めるほか、オンライン商談や世界的食品見本市「SIAL」でのPRを強化する。

 国内では、国内通商局(DIT)が「ローイ・リムレー(海辺の美味)」キャンペーンを展開し、南部プーケットなど観光地の地元スーパーと連携して買い取り拠点を設置。輸出業者、加工工場、買い取り業者を生産地で直に結び、政府が現在実施中の生活費抑制策「タイ・ヘルプ・タイ(タイ・チュアイ・タイ)」などを活用して流通を促す。

 長期的には、農業協同組合省水産局と同省国家農作物食品規格庁がマレーシア側と協議を進め、問題解決を図る方針。商務省も在クアラルンプールのDITP事務所に状況監視を指示し、必要に応じて世界貿易機関(WTO)やアセアンの場で協議を提起する可能性も示唆している。

 マレーシアは6月1日から、タイがマレーシア産シーバスを国境検査での化学物質残留の指摘を理由に実質的な輸入停止としたことへの報復として、タイ産エビ5品種の輸入を一時停止している。公式理由は「食品安全強化」。

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