タイ政府、日本の新制度「ESD」に基づく労働者派遣で協力覚書

【タイ】政府は6月2日の閣議で、日本が2027年4月1日に施行する新たな外国人材制度「育成就労制度(ESD)」に基づき、タイ人労働者を日本に派遣するための協力覚書(MOC)案を承認した。

 ESDは、日本の人手不足分野で外国人が原則3年間就労し、特定技能1号水準の技能を習得することを目的とした、技能実習制度に代わる新制度。今回のMOCは、同制度の下でタイ人労働者の技能向上を図るとともに、日本人と同様に労働法や安全基準による保護を受けられるよう定めている。差別的な扱いを防ぎ、適正な雇用環境を確保することが盛り込まれている。

 制度は従来より柔軟で、一定の条件を満たせば転職(転籍)や雇用主の変更が認められる。また、送出国との間でMOCを締結し、労働者が不当に高額な手数料を負担しない仕組みを整えることも制度の要件とされている。事業終了後には、在日タイ大使館と連携し、労働者とその家族が円滑に帰国できるよう支援する仕組みも設けられる。

 パッダーラット・トーンサルアイコーン政府副報道官によると、MOCの有効期間は5年で、自動更新される。外務省は、同MOCはタイ憲法178条に定める「条約」には該当しないと確認。政府は今回の合意を、日本で働くタイ人の権利保護と待遇改善、帰国後の技能活用につながる重要な機会と位置づけている。

パッダーラット政府副報道官 写真:タイ首相府

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