タイの国際線旅客サービス料引き上げなどに反発 観光業界「使途が不透明」

【タイ】タイ政府が旅行関連サービスの料金引き上げや課税・増税を検討していることについて、観光業界からは「使途が不透明なままでは正当化できない」といった批判が出ている。タイでは6月20日、タイ空港公社(AOT)によって国際線旅客サービス料が全国6空港で現行の730バーツから1120バーツに引き上げられるほか、海外に出国するタイ人から1人あたり1000バーツの海外渡航税(Outbound travel tax)を徴収する案が浮上している。ほか、閣議審議が先送りされたままとなっているが、外国人の空路による入国で300バーツを課す入国料の導入案も固まっている。

 タイホテル協会(THA)は、「観光開発にどう役立つのかを国民および外国人に明確に説明できるのであれば、業界として反対するものではない」と述べる一方、「徴収した財源をどの事業に充てるのか具体的な計画が示されていない」と指摘している。タイ国内の空港を運営するAOTを「独占的」とみなし、財源の一部をインフラ整備に充てるという説明に対して、「インフラ整備は本来別の財源で賄うべき」と批判した。AOTは2025年度に180億バーツ(900億円相当)、2026年度第1四半期(2025年10〜12月)に46億バーツの黒字を計上している。

 タイ旅行代理店協会(ATTA)も、AOTが観光業界の意見を聞き入れて国際線旅客サービス料の引き上げの撤回もしくは延期に応じるとは考えにくいと発言。「タイ観光業の競争力の向上に向けた取り組みで、AOTはその一翼を担う意識を持つべき」と求めている。増収分の使途についても、「観光開発を支えるため、より多くの関係者が議論に参加できる仕組みの構築が必要」とし、中東情勢の不安定化が続く中ではなおさら重要だと述べた。

 スワンナプーム空港は、英国の航空サービス評価機関スカイトラックスが発表したWorld Airport Awardsの「World’s Top 100 Airports 2026」で36位にとどまっている。首位はシンガポールのチャンギ空港。ATTAは「シンガポール、香港、仁川など地域の主要ハブ空港と競うため、AOTはより高い目標を掲げなければならない」とし、3〜5年以内にトップ10入りを目指すべきと主張している。

●【更新:6月20日から1120バーツに】タイの主要空港6港、国際線旅客サービス料を2026年から53%引き上げへ
●海外渡航者から1000バーツの徴収か? タイ国内旅行促進の財源に
●タイ新政権、外国人入国料300バーツ導入へ
●スワンナプーム空港の世界ランキングが上昇 2026年版で36位に
●タイの航空関連料金引き上げ、観光回復に影響必至 IATAが警告

スワンナプーム空港 写真:newsclip

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