【タイ】タイ商務省国際通商局(DFT)は、2026年の国境貿易および通過貿易の総額目標を1兆9000億バーツ(10兆円相当)に設定した。周辺諸国の政治情勢の影響を強く受けるものの、輸出総額のおよそ1割を占め、輸出全体に果たす役割は大きいとみなされる。
国境・通過貿易の総額はこれまで、2021年1兆7190億バーツ(貿易黒字3458億バーツ)、2022年1兆7420億バーツ(同3136億バーツ)、2023年1兆7110億バーツ(同2506億バーツ)、2024年1兆8160億バーツ(同2812億バーツ)と、貿易黒字が続いた。2025年はタイ・カンボジア国境紛争による検問所の閉鎖、ミャンマー国内の混乱に伴う国境管理の強化が重なり、国境貿易が大きく落ちこんだが、通過貿易が好調で最終的に過去最高の貿易額1兆9376億バーツ(同1886億バーツ)を達成した。
2026年は、世界的な需要拡大、国内での電子機器投資やデータセンター事業の成長を背景に、電子関連を中心とした通過貿易が引き続き成長を牽引する見通し。一方、国境貿易は不確実性が高く、タイ・カンボジア国境の緊張が続く中、国境再開の見通しは立っていない。ミャンマーでも混乱と貿易措置の影響が続き、北部ターク県メーソート郡と対岸のミャワディーを結ぶ第2友好橋は2025年8月18日以降、閉鎖されたまま。
国境貿易の落ち込みを受けてタイ政府は、国境経済の下支え策として2026会計年度に東部チャンタブリー、サケーオ、北部チェンラーイ、ピッサヌローク、東北部コーンケーン、南部ナコーン・シータマラートの6県で国境貿易フェアを開催し、代替的な取引機会の創出を図る。
タイ・カンボジア国境問題による影響は1日当たり5億バーツ、月間で150億バーツ相当の取引損失と試算される。タイ企業のカンボジアへの直接投資残高は1500億バーツほど。事業継続の一時停止、移転などの対応が検討されているもよう。























