ウタパオ航空都市計画が着工段階へ 第1期を縮小して開始

【タイ】タイ政府が東部経済回廊(EEC)の中核事業として進める「ウタパオ航空都市(U-Tapao Aviation City)」計画が、長期の遅延を経て建設段階に入った。総事業費3000億バーツ(1兆5000億円相当)の大型プロジェクトで、当面は需要に合わせた縮小版の第1期計画で進められるという。

 同事業は2020年の契約締結後、5年以上にわたって停滞。ドーンムアン、スワンナプーム、ウタパオの3空港を結ぶ高速鉄道の整備が遅れていることや、コロナ禍後の航空需要の変化を受け、当初計画の見直しが行われてきた。

 第1期の計画は現実的な需要に合わせて縮小され、事業主体のU-Tapao International Aviation(UTA)は旅客ターミナルと主要インフラの整備に重点を置いた。年間旅客処理能力は当初の1200万〜1500万人から300万〜400万人規模へと引き下げられ、投資額は100億バーツに抑えられた。利用率が8割に達した段階で拡張を進める方針だという。UTAのキーリー・カーンジャナパート会最高経営責任者(CEO)は、第1期で基幹施設の整備に集中する一方、長期的には年間6000万人規模の空港に拡張する構想に変わりはないと述べている。

 事業が遅れた一因は、3空港を結ぶ高速鉄道計画との連動条件。今年1月29日、東部経済回廊事務局(EECO)とUTAが共同管理契約を締結したことにより、着工可能な区画から工事を進めることが可能となった。UTAは高速鉄道に関する一部の契約条件を放棄し、鉄道計画の進捗を待たずに空港側の建設を進められるようになった。ただ、高速鉄道は依然として事業全体の成否を左右する重要要素とされる。

 EECOは、同計画がウタパオ空港を現在の軍事利用から国際商業空港へと転換し、EECの経済・産業・先端技術の「グリーンハブ」形成を後押しすると説明。UTAは航空会社や投資家を誘致するためのロードショーを実施する予定で、空港都市にはホテル、商業施設、住宅などの開発も含まれる。これらの商業開発は2026年末に着手される見通し。

 公共部門の関連工事も進んでおり、タイ海軍は第2滑走路と誘導路を建設中で、2028年5月の完成を予定している。給水、電力、航空燃料などの基盤インフラ整備も加速しており、商業運用開始に向けた準備が進んでいる。完成すれば、ウタパオはバンコク首都圏の第3の国際空港として観光、物流、先端産業、投資の拡大を支える拠点になると期待されている。

タイ東部ウタパオ空港開発、旅客処理能力は年間300万人 EECの新拠点化を目指す計画始動

Eastern Airport City:UTAホームページより

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