【タイ】タイ政府は3月17日、これまで小売り上限を1リットル当たり29.94~30.00バーツに抑えてきた軽油を、19日に0.5バーツ(50サタン)引き上げると発表した。今後は段階的に値上げし、最終的に同33バーツまで調整する方針。
軽油のほか、ガソホール95も1リットル当たり1バーツ値上げする。一方、ガソホールE20は79サタン値下げする。
エネルギー省は、燃料不足が全国規模で発生しているとし、国民に謝罪した。輸送・物流、医療機関、ごみ収集など幅広い分野に影響が出ており、各地の給油所では長い行列が見られる。定期輸入分を含めた原油備蓄は101日分を確保しており、供給面での不安はないとし、買いだめを控えるよう呼びかけている。
国内には6カ所の製油所があり、1日当たり1億7500万リットルの燃料を精製できる。内訳はガソリン系が3200万~3300万リットル、軽油が7500万~8000万リットル、航空燃料が2500万リットル、重油が1300万リットル、LPGが600万~700万キログラムなどとなっている。
同省エネルギー事業局は、精製から給油所までの流通過程にボトルネックがあると説明。製油所は主に大手販売会社に供給し、一部は仲介業者を通じて独立系給油所や工場などに販売される。中東情勢の緊迫化を受け、大手の自社系列店への供給が優先され、仲介業者向けが絞られた結果、独立系給油所で燃料不足が生じ、系列店に利用者が集中した。
政府は製油所に増産を要請するとともに、大手販売会社に対し仲介業者への供給拡大を指示した。さらに、警察やバンコク都庁(BMA)と調整し、タンクローリーの運行時間を延長して供給体制を強化する。
原油在庫については、現在42日分を保有しており、アンゴラから190万バレル、米国から62万5000バレルの到着分でさらに29日分を確保できる見通し。ほかの供給契約分を含めると、合計101日分になるという。政府が全国1502カ所の給油所を調査したところ、燃料完売で閉鎖していたのは151カ所、部分的に供給できていないのが1039カ所、通常営業は306カ所などだった。
中東情勢対策センター長を務めるピパット・ラチャキットプラカン副首相兼運輸相は、軽油のバイオ燃料の配合をB7からB10、B20などと段階的に切り替え、大型車両にはB20の利用を促す方針を示している。輸送、農業、建設分野への提供を支える狙いで、工場などの大口需要家が製油所や仲介業者から直接購入できるようにし、給油所への集中を避ける。
今後は透明性の向上のため、製油所からの出荷価格や基地での貯蔵価格も公表する方針で、政府は供給の安定化と混乱の早期収束を目指すとしている。
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