タイの石油備蓄「最大95日分」 政府が供給途絶に備え対策

【タイ】アッタポン・ルークピブーン・エネルギー相は3月5日、政府が石油供給の混乱に備えて「最大95日分」の石油を確保していることを明らかにした。ホルムズ海峡の閉鎖を巡る懸念が高まる中、輸出停止、備蓄義務の引き上げ、バイオディーゼル混合比率の調整、精製油の輸入など、段階的な対応策を準備しているという。

 国内石油備蓄は従来60日分とされてきたが、実際には65日分あるとし、中東以外から確保した追加供給30日分を加えることで、合計95日分の供給余力があるとした。4月から5月にかけて追加調達が確定すれば、数字は更新される。

 政府が検討している対策として、ラオスとミャンマー向けを除く石油輸出の停止、法定備蓄率を現行の1%から3%に引き上げる準備、供給逼迫時に迅速に実施できるバイオディーゼル混合比率の引き上げなどを挙げた。必要に応じてされに、環境基準が高く設定されている国内燃料規格を一時的に緩和した上で、精製油を輸入する可能性もあるという。現在は製油所の生産量が国内需要を上回っており、輸出停止に伴う在庫積み増しのための生産調整を行う可能性も示した。

 価格面では、政府が石油基金を活用して15日間限定で軽油価格を1リットル当たり29.94バーツに据え置く方針を維持する。ガソリン価格についても同様。15日後に情勢を再評価し、紛争が長期化する場合には追加措置を検討するとした。

 ほか、米国、マレーシア、アフリカ諸国からの追加エネルギーの調達も進めており、エネルギー規制委員会が代替供給源からの調達を承認している。国営石油会社PTTが来週にも発注を確定できる見通しだという。

 発電用に使われる天然ガスは、50~60%がパイプライン輸送で、残りはカタールからの液化天然ガス(LNG)輸入に依存している。これについても、ラオスからの水力発電の電力輸入拡大や、タイ・マレーシア共同開発区域(JDA)からのガス供給といった代替策を準備している。

 アッタポン・エネルギー相は、「石油、ガス、電力のいずれについても国内で不足が生じることはない」と断言している。

アッタポン・エネルギー相 写真:エネルギー省

関連記事

トピック

ページ上部へ戻る