タイPTTでガソホールE85供給停止、需要低迷と価格逆転が背景 国家石油計画は維持

【タイ】タイで2月1日、PTTガソリンスタンドにおけるガソホールE85の販売が終了した。PTTオイル・アンド・リテール・ビジネス(OR)が燃料デポからの供給を停止したことに伴う措置で、各スタンドでは在庫がなくなり次第、順次取り扱いを終える。

 ORによると、E85の販売終了は需要低迷が理由。政府の石油燃料基金制度が補助から課徴金中心の仕組みに転換された結果、E85の小売価格がガソホールE20より高くなって利用者が減少した。

 エネルギー省エネルギー事業局(DOEB)によると、2025年1~11月のガソホールとガソリンの1日平均需要は3150万リットルで、前年同期比0.9%増加した。内訳ではガソホール95が1日1950万リットルと大半を占めた一方、E85は6万リットルにとどまり、消費全体に占める割合は極めて小さい。

 E85は長年採算が取れておらず、DOEBは「今回の販売終了が国家石油計画に影響することはない」との見解を示している。新たな国家石油計画は2026年から2050年までのエネルギー政策の指針となり、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする政府目標と整合。水素や電動モビリティーと並び、バイオ燃料は引き続き重要な位置付けにある。

 ガソホールは、キャッサバや砂糖製造の副産物から得られるエタノールをガソリンに混合した燃料で、温室効果ガス削減策の一つとされる。エタノール含有率はE85が85%と最も高く、次いでE20が20%、ガソホール95と91はいずれも10%となっている。

 現在、全国でE85を扱う大手は「バンチャーク・コーポレーション」のみ。当面は販売を継続するものの、同社も今後の状況次第で見直す方針だという。燃料大手「サスコ」はすでに、2020年にE85の販売を終了している。

 バイオ燃料は化石燃料に比べ生産コストが高く、政府は石油燃料基金を通じてエタノール混合燃料を支援してきたが、E85は補助対象外となっている。制度自体も今年9月に終了する予定。現在、税引き前価格はガソホール95が1リットル15バーツ、E20が15.68バーツ、E85が19.24バーツとなっている。

 国際エネルギー情勢は不透明さを増しているとされ、国際エネルギー機関(IEA)は原油需要が2030年ごろにピークを迎えるとの従来予測を修正し、2050年まで増加が続く可能性を示した。こうした分析も、タイの国家石油計画の策定にあたって考慮されている。

 

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