麻薬組織の資金洗浄事件、下院選候補を逮捕 警察が国内22カ所一斉摘発

【タイ】タイ警察は12月29日、薬物密売と資金洗浄に関与したとされる組織「ブラック・ミラーTKP」を摘発し、次期下院選に立候補していた男を含む容疑者4人を逮捕したと発表した。国内22カ所を一斉に捜索し、現金、不動産、車両など総額2億4600万バーツ(12億円相当)の資産を差し押さえた。

 捜査のきっかけは今年2月11日、東北部ナコーン・パノム県で国境警備隊がラオス国籍の容疑者3人を逮捕し、メタンフェタミン658キロ、覚醒剤(ヤーバー)11万6000錠などを押収した事件。その後の捜査で、ブラック・ミラーTKPが関与したとされる薬物密売が相次いで判明し、台湾でのヘロイン摘発を含む計7件の関連事件が確認された。タイ人と外国人が関わる複数の会社を隠れみのにして薬物取引の資金を受け渡しし、資金洗浄を行っていたもよう。資金の流れは数十億バーツ規模に上るとみられる。

 家宅捜索は29日朝、首都バンコク、中部ノンタブリー、パトゥム・ターニー、ロッブリー、南部トランの5都県22カ所で一斉に行われ、4人が拘束された。現金156万バーツ、金地金655グラム、住宅8棟、コンドミニアム(分譲マンション)12室、車両6台、銃18丁などを押収・差し押さえた。

 今回の逮捕者には、プラチャーチョン党所属でバンコク第33区(バーンプラット区・バンコクノーイ区)から次期下院選に立候補していた、ブンヤリット・ラオルンロート容疑者が含まれていた。組織の資金洗浄に当初から関与し、毎月資金を受け取っていた疑いがあるという。

 ブラック・ミラーTKPに関連した事件で、これまでに逮捕された容疑者は24人に達した。

写真:POLICE News Varieties

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