人身取引被害のタイ人少女が帰国 政府施設で保護へ

【タイ】日本からの報道によると、東京都内の個室マッサージ店で違法に働かされていたタイ国籍の少女が12月26日、日本を出国してタイに帰国した。今後はタイ政府の管理下にある施設で生活し、医療や心理面の支援を受ける見通しだ。

 少女は当時12歳で、人身取引の被害者として日本の関係機関に保護されていた。タイ政府職員に付き添われて26日朝、成田空港を出発。夕方にはスワンナプーム空港に到着した。目立った外傷はなく、精神面も比較的安定していると報じられている。

 少女は今年6月、母親とともに来日したが、東京都文京区のマッサージ店に一人残され、店側が借りた部屋で寝泊まりしながら働かされていた。入国から約3カ月後の9月、自ら東京出入国在留管理局を訪れ、助けを求めたことで保護につながった。少女は当時、「タイに帰りたい」「学校に通いたい」と訴えていたという。

 タイ国内のこれまでの報道によると、少女はマッサージ店で働くこと自体は事前に知らされていたものの、実際には説明と異なる業務内容で、「性的な内容を含む接客」をさせられていたと話している。日本国内で5~6カ所の店舗を転々とさせられていたという。給料は母親に渡され、自身は金銭を持っていなかったとも説明している。タイでは、売春という直接的な表現を用いて報じられた。

 少女は帰国後、「弟に会いたい」と話しており、タイ政府が家族との再会に向けた調整を進めているもよう。

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事件の早期解決を指示したタイ警察のキティラット・パンペット警察長官 写真:POLICE News Varieties

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